エレクトライクの外形寸法は、全長2495×全幅1295mm×全高1695mm。車両重量はAグレードが430kg、Bグレードが405kgとなっている。
ベースとなるオート三輪は、インドのBajaj Auto(バジャジ・オート)製。トライクなどの三輪自動車と同じ「側車付軽二輪車」の寸法規格(全長2500×全幅1300mm×全高2000mm以下に)に収めるための改良を行っている。
駆動モーターは、先述した通り後2輪にそれぞれ直結しており、定格出力は4.5kW×2となる。二次電池は「神奈川県座間市で生産されている」(松波氏)リチウムイオン電池を採用しており、容量は走行距離が約60kmのAグレードが7.8kWh、走行距離が約30kmのBグレードが3.9kWh。座間に工場を持つリチウムイオン電池メーカーは、日産自動車とNECが合弁で設立したオートモーティブエナジーサプライ(AESC)しかないことから、AESC製とみられる。つまり、エレクトライクは、日産自動車のEV「リーフ」と同じリチウムイオン電池を使用していることになる。
充電は、AC100V電源を用いた普通充電に対応。充電時間はAグレードが10時間、Bグレードが5時間。オプションでAC200V電源にも対応可能で、この場合充電時間は半分に短縮される。
エレクトライクの最大の特徴である、後2輪にそれぞれ直結したモーターを個別制御する「アクティブホイールコントローラ」は東海大学と共同開発したものだ。
例えば、一般的なオート三輪は、速度を上げてカーブを曲がろうとすると転舵しきれなくなるアンダーステアを起こしやすい。エレクトライクの場合、カーブを曲がろうとするときにステアリングの舵角をセンサーで検知して、カーブの内側の後輪に掛かるトルクを減らす一方で、カーブの外側の後輪に掛かるトルクを増やして、アンダーステアが起こらないようにする。「四輪車の場合、こういった機能は、加速度センサーなどを使って既に実現されている。エレクトライクは、加速度センサーを使わずに、オート三輪で同様の機能を実現した」(日本エレクトライク 取締役 技術部長の千葉一雄氏)という。
ただし、オート三輪という構造上、一定以上の高速で走行する際に不安定性が増すことに変わりはないため、最高速度は時速49kmに制限している。側車付軽二輪車の場合、法的には高速道路を走行できるが、「エレクトライクは最高速度が時速49kmと法定最低速度の時速50km未満なので、違反になってしまう」(松波氏)。このため、基本的には一般道路で利用することになりそうだ。
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