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» 2015年06月15日 00時00分 公開

災害救助ロボットコンテスト、入賞チームが語るロボット開発の詳細DARPA Robotics Challenge 決勝リポート(後編)(2/3 ページ)

[桃田健史,MONOist]

チームKAIST、勝利を決めた戦いの詳細

 決勝2日目。前日のランキング下位から順番に挑戦となった。天気は快晴で、カリフォルニアの強い紫外線で観客たちはサングラスと日焼け止めクリームが欠かせない日差しだった。

 序盤、日本チームは前日の経験を生かし、8タスク全てをクリアすることを諦め、ポイントが取れるタスクに専念する作戦に出た。だが、やはり各タスクで制御不能、また転倒するシーンが見られた。

 そうした“前座試合”が終わり、観客の目は強豪ぞろいのラウンド5とラウンド6に注がれた。そのなかで最も目立ったのが韓国のチーム「KAIST」だ。筆者は以前、技術系媒体の取材で韓国大田市のKAISTを訪問した経験がある。ネタは非接触充電だった。韓国で一般の方にKAISTについて聞くと、皆一応に「技術系の超エリート大学」と答えたことを思い出す。

 では、そのチームKAISTの戦いぶりを、時系列で詳しく見ていこう。出場コースは観客席から見て右から3番目のグリーンコースだ。

  • 15時15分

 スタートと同時に、クルマが順調に発信。途中のクランクコーナーを難なくこなし、1分ほどでタスク1を完了。クルマの停止から数秒で、降車を開始。膝をつくような姿勢へフォーメーションチェンジし、コンクリート上での移動も実にスムーズだ。膝とつま先にローラーがあるのだ。素早い動きに、観客席の韓国応援団から大きな声援が飛ぶ。

  • 15時21分

 ドア開けて室内へ通過。タスク3を終えた。

  • 15時23分

 バブル閉めも通過。とにかく次へのタスクまでの移動、さらにタスク開始までの時間が他のロボットと比べてかなり早い。

  • 15時34分

 壁の穴開けを通過。前日はこの穴開けを失敗し7ポイントに終わっていた。2日目も最初は左手でドリルを正面からつかもうとしたが失敗し、ドリルを床に落とした。だが、オペレーターはすぐさま、操作をリプログラミング。ロボットの位置を直し、今度は右手をドリルの上部に置き、右手を上からスライドさせてからつかんだ。そして穴開けでは、規定の円形の外周にそってキレイにタスクをこなした。

photo 壁の穴開けをするチームKAISTのロボット「HUBO」
  • 15時47分

 “サプライズ”であるプラグの差し替えタスクを通過。穴開けで使用したドリルを床に置き、後退して、進行方向を左に変更し、すぐに立ち上がった。プラグの引き抜きを15時42分で終えたが、右側プラグへのはめ込みに若干、手間取った。

  • 15時51分

 タスク7のガレキを通過。プラグはめ込み後は、背を低くして再びローラーモードへ。フォーメーションチェンジとタスク7への位置決めまでを8分で終えた。その後、ガレキを一気に押しのける作戦でタクス7自体は1分以内でこなした。

 そしてここからがまた実に素早い。タスク7の通過ラインを超えたと同時に、室外で出るため進行方向を右に修正し、階段の下まで3分で到着。そこから、身体全体を180度旋回させ、上半身を180度回転し、階段上り用にフォーメーションチェンジが完了したのが、15時55分。そして15時57分に上りはじめたかと思ったら、一気に4段の最上段までいってしまったのだ。

 正式なフィニッシュ時刻は、15時59分28秒。タイムは44分28秒となり、前日トップだったカーネギーメロン大学の記録を、10分以上更新した。

photo 優勝した韓国のチームKAISTが賞金200万ドルを獲得

 結局、カーネギーメロン、MITともにチームKAISTの妙技には及ばず。2位には元MITのロボット研究者がリーダーをつとめるフロリダの人間・機械認知研究所「TEAM IHMC ROBOTICS」が「ATLAS」で全8タスクを50分26秒でこなし入賞した。第3位にはカーネギーメロン大のチーム「TARTAN RESCUE」が前日の記録で入った。

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