日本モレックスは、「人とくるまのテクノロジー展2015」において、エンジンECU(電子制御ユニット)向けのハイブリッド防水コネクタ「Compactus」を披露した。2016年夏ごろに量産を始める予定の製品である。
日本モレックスは、「人とくるまのテクノロジー展2015」(2015年5月20〜22日、パシフィコ横浜)において、エンジンECU(電子制御ユニット)向けのハイブリッド防水コネクタ「Compactus」を参考出展した。2016年夏ごろに量産を始める予定の製品である。
Compactusは、コネクタの1つの間口に、複数種類のタブ幅のワイヤーハーネスを接続できることを特徴としている。例えば、信号線などに使われているタブ幅0.5mmと、電力線などに用いるタブ幅1.0mm/2.8mm、両方のワイヤーハーネスを利用できる。また、ワイヤーハーネスをまとめたケーブルの配線方向を、右側でも左側でも自由に選択できるようにし、ワイヤードレスカバーも大型と小型の2種類を用意した。さらに、従来はタブ幅0.64mmまでだった細いワイヤーハーネス線への対応をタブ幅0.5mmにも広げた。これにより、コネクタの厚み方向に並べられる端子配列数も最大5列から6列に増えた。
加えて、組み立て工程で作業性を向上するための配慮も施されている。114極と端子数の多いコネクタをはめ合わせる場合でも、自動車メーカーが定める70Nm以下の力で挿入できるようにレバーを用意した。また従来品は、防水のためのワイヤーエンドシールをワイヤーハーネスのタブごとに用意する必要があったが、Compactusはコネクタの1つの間口全ての防水に対応するマットシールを使うだけでよい。
同社はECUコネクタについて、世界全体では上位のシェアを獲得しているが、国内市場ではそれよりも低いシェアにとどまっている。日本法人の日本モレックスが、日本の自動車メーカーの要望を聞いて開発したCompactusの投入により、ECUコネクタの国内シェアを世界シェアに近づけたい考えだ。
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