IoTの農業や漁業への応用も考えられます。話題の無人航空機「ドローン」を活用した米の直播きが認可されれば、農家が田植えの苦労から解放されるように、稼働が保障された自動運転の農業機械が今後の農業を大きく変えてくれることでしょう。
また、環境センサーによって生育条件をモニタリングし、成長をコントロールする効率のよい植物工場の実現も夢ではありません。環境制御の再現性が高いため、成長の促進や栄養価の保障などが可能になります。積極的に環境センサーの利用を始めた植物工場も既に登場しています。漁業でも養殖においては同様のことが可能になるでしょう。
露地栽培の作物ではどうでしょうか。植物工場よりも条件が複雑化するので、すぐに成果を出すのは難しいかもしれません。しかし、先人の手法をデータとして残しておき、的確な分析を行えば、全く違った場所でも同じような成果を残せるような時代が来るかもしれません。食料危機が叫ばれる昨今、そのような技術に対する要求は増していくと思われます。
漁業においては、魚の行動パターンを分析して目当ての魚の生息域や回遊地域を予測し、漁船をその地域に送り込むといったことができる可能性もあります。どこにショッピングモールを作ると人が集まり、どういった店舗の配置を考えれば買い回りが加速するのかというカスタマージャーニーをリアルな世界でも実施するようなことに似ているといえなくもありません。
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