ROSはもともと、SAIL(Stanford Artificial Intelligence Laboratory:スタンフォード人工知能研究所)が「STAIR(STanford AI Robot)」というロボットを生み出す際に開発されたものである。
このSTAIRの開発にはWillow Garageという会社が協力しており、これもあってROSの開発は同社が主体になっていた模様だ。そのROSであるが、同社は2012年にOSRF(Open Source Robotics Foundation)を設立し、2013年2月にはROSの管理をこのOSRFに移管。以後はこのOSRFがOpen Sourceの形でROSの開発とメンテナンスに当たっているいる。
このROSそのものは基本的にUbuntuの上で動作する。対応するハードウェアは非常に多く(一覧はwikiを見てもらうのが早い)、これ以外にも、自分で作成したロボットをROSで制御するというケースは非常に多い。なぜなら、ROSの特徴の1つは、この上で動くソフトウェアライブラリの多さだからだ。対応するライブラリ一覧はこちらから見られるが、現時点での最新版であるIndigo Igrooに対応したものだけでこれだけの数がある。
ROSそのものも順次更新されており、2010年1月に初公開されたROS 1.0以降、Box Turtle、C Turtle、Diamondback、Electric Emys、Fuerte、Groovy Galapagos、Hydro Medusa、Indigo Iglooとディストリビューションのアップデートが行われており、2015年5月には次のディストリビューションである「Jade Turtle」が予定されているという具合だ。
オープンソースということで広く利用され、しかも現時点でも多くの開発者が携わっていることもあり、一番勢いがあるロボット制御ソフトウェアと考えて良いだろう。単にソフトウェアライブラリのみならず、シミュレータやモデリングツールなどさまざまなツールがROSに対応しており、こうした部分も好まれている。
次回はもう少しこのROSの中身をご紹介したいと思う。
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