傾斜スイッチで「絶対に飛び起きる目覚ましシステム」を作ろうアイデア・ハック!! TWE-Liteで家庭内M2M計画(5)(2/3 ページ)

» 2015年03月20日 11時00分 公開
[三月兎MONOist]

 親機のブザーを鳴らす回路は赤ちゃんウォッチの流用ですが、「NJM2072」(データシートPDF)の出力は7番ピン(OUT2)に変更しています。このピンではデジタル信号を出すとき、Low → Highに信号を切りかえます。

 ブザーのON-OFF指示には、Dフリップフロップ回路(以下、D-FF回路)を使っています。D-FF回路は、クロックがHになる瞬間の値を読み込み、固定したまま出力する回路です。「74HC74」(データシートPDF)という汎用ロジックICでD-FF回路を組んでいます(画像3)。

 カウンタの初期値はLowなので、TWE-Liteの出力にはトランジスタ反転回路を入れて、Highを出力しています。

photo (画像3) 74HC74は、内部に2つの論理素子が組み込まれている。D-FF回路は、CKのクロック入力がHighになったとき、Qに同一の値が出力される

 子機には傾斜スイッチとジャンプした回数をカウントするためのICを搭載しています。傾斜スイッチを振るとパルスデータが発生します。これを74HC393(データシートPDF)というICでカウントしているのです。

 74HC393は、内部にある2つの素子を組み合わせてON-OFFをカウントできます。今回の配線では128パルスでSTOP信号を発します。チャタリングもカウントされるので、実際は30〜50回位振るとSTOP信号が出ています(画像4)

 STOP信号が出るとTWE-Liteの無線機能で信号が送られます。親機のD-FFのCLRがカウンタ信号を受け取ると、ブザーが停止します。子機に搭載しているLEDは回路をデバッグするためにつけました。子機のLEDが光れば、親機のブザーが停止します。プッシュスイッチでカウンター値をリセットできます。

photo (画像4) 74HC393は、4ビットのカウンタが2回路入っているIC。配線の仕方でカウント数を変更できる。今回は128パルスでSTOP信号を出した

 それでは、ブレッドボード上で回路を作成してみましょう。回路図と部品配置図を以下に示します(画像5〜9)

photo (画像5) 「跳び起きる目覚ましシステム」の回路図(※画像クリックで拡大表示)
photo (画像6) 親機の部品配置図
photo (画像7) 子機の部品配置図。大きな□(四角形)で囲んだ場所がプラスの差し込み位置となる
photo (画像8) ブレッドボードに親機の部品を実装したところ
photo (画像9) ブレッドボードに子機の部品を実装したところ

 親機は部品点数が多いので、機能ごとに動作を確認しながら配線していきました。機能ごとに分割して回路をチェックしていくと、間違えたときに問題のある所が分かりやすくなります。

 回路が組めたら、親機のブザーが鳴っている状態で、子機を振ってみましょう。ブザーを止めることができれば成功です。

 ちなみに今回の回路では、親機と子機の電源を入れたときにブザーが鳴ります。子機を振ってブザーを止めてリセットスイッチを押すまでが初期設定となります。これは、子機の電源を入れた瞬間にHigh信号が出てるためにブザーが鳴ってしまうからです。回路の都合でこういう仕様になりました。

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