3Dプリンタで作る俺仕様の便利グッズ大集合――「3Dモデラボ コンテスト 〜2014秋〜」結果発表!!3Dモデリングコンテスト(1/4 ページ)

“便利グッズ/カスタムパーツ”をテーマに行われた「3Dモデラボ コンテスト 〜2014秋〜」の審査がようやく完了した。今回は、総データ数183(全176作品)と、前回の夏コンテストを大きく上回る3Dモデルデータ作品が寄せられた。果たして、どんな作品が優秀賞に選ばれたのか!?

» 2015年01月05日 15時00分 公開

 皆さん、こんにちは。3Dモデラボ事務局です。

 2014年10月6日から12月16日までの期間、“便利グッズ/カスタムパーツ”をテーマに展開してきた「3Dモデラボ コンテスト 〜2014秋〜」の審査作業がようやく完了しましたので、受賞作品と審査員からのコメント、そして、惜しかった作品などをご紹介します。

 まず、審査結果の発表の前に、応募作品数とその傾向を見ていきましょう。今回のエントリー結果ですが、総データ数183(作品数176)、参加者67と、便利グッズ/カスタムパーツというかなり実用を意識したテーマながら、非常に多くのクリエーターさんに作品を投稿していただきました! エントリーしてくださった皆さん、本当にありがとうございます!!

>>エントリー作品一覧はこちら

 コンテストのエントリー作品をカテゴリー別に見てみると、テーマに最もマッチしている「実用・部品・雑貨」が108作品と断トツ。以下、「ガジェット・スマホ」が26作品、「ホビー・おもちゃ」が13作品、「食器」が10作品、「アクセサリー」が7作品、「アート・オブジェ」が6作品、「その他」が3作品、「加工・素材」が2作品、「キャラ・フィギュア」が1作品という結果になりました。

 なお、3Dモデラボ コンテスト 〜2014秋〜では、XYZプリンティング製のデュアルノズル搭載3Dプリンタ「ダヴィンチ 2.0 Duo」を贈呈する「モデラボ賞」の他、PTC製ツールでモデリングした人を対象にした「PTC Creo賞」(こちらは、iPad mini 3 16Gバイトモデル)、3Dプリンタ「MakerBot Replicator Mini」および受賞作品データ出力権を贈呈する「Stratasys/MakerBot賞」の3つの賞を設けました。

栄冠は誰の手に

 それでは前置きはこれくらいにして、各賞の受賞作品を紹介していきましょう!

モデラボ賞の栄冠は誰の手に!?

 まずは、モデラボ賞の発表です! 3Dモデラボ事務局が選んだのは……、

 ATSUSHIさんの「傘飾り・瞬間修理キット」です!!

 おめでとうございまーす。

モデラボ賞:「傘飾り・瞬間修理キット(アンブレラ・アクセサリー)」/作者:ATSUSHIさん

【作品の説明】
通常の傘が、あなたのオリジナル傘にクイックチェンジ!! 今回は、蝶のオブシェを取り付けましたが、直径5mmの穴を空けることができる3Dプリントオブジェクトならば何でもOK!! どこにでもある100円傘が、世界でたった1つのオリジナルデザインになる。名前を付ければ私専用の傘に!! MakerBotのロゴを入れれば、MakerBot宣伝用傘に!! その日のイベントに応じた数量だけをプリントアウトできます。もう、1000本単位のロット発注はしなくてよいのです!! また、パイプ部とロック部だけをプリントアウトしてバックに入れておけば、出先で壊れた傘を素早く修理することができます。使い捨て傘といっても、簡単にリサイクルできる!!

» 作品ページはこちら



審査員からのコメント(3Dモデラボ事務局)

モデラボ賞 モデラボ賞を受賞したATSUSHIさんの「傘飾り・瞬間修理キット」

よくなくし、よくパクられる「ビニ傘」を一瞬で自分だけの“オリジナル傘”に変身させることができるというコンセプトが◎。さらに、身近になりつつあるとはいえ、まだちょっと距離のある3Dプリンタと、誰もが一度は使ったことがあるビニ傘をミックスした発想は、今回のテーマである「便利グッズ/カスタムパーツ」にぴったりだと感じました。また、修理用パーツという意味合いもあり、利用シーンや利用者の体験まで深く考え込まれているなと感心しました!


「汎用のビニール傘が一瞬にして自分オリジナルの傘になる」「よく失うパーツを3Dプリンタで補完する」そして、何より「簡単にカスタマイズが出来る設計である」というポイントが見事に今回のテーマにマッチしていました。大人の女性から子供まで多くの方に喜ばれそうなアイテムです。


モデラボ賞の最終審査まで残った作品たち!

 惜しかった作品も見ていきましょう! komeya65さんの「Mask keeper(マスクキーパー)」は、風邪/インフルエンザ予防や花粉症対策などでマスクを着用している人たちの悩みを解決する作品で、審査員の評価も高かった作品の1つです。

惜しかった作品その1 惜しかった作品その1:komeya65さんの「Mask keeper(マスクキーパー)」

 審査員からは、

製品化されてもおかしくないアイデアだな、というのが第一印象。私自身、冬は風邪予防でマスクを常用しているので、耳にゴムがすれて痛いと感じることもあり、非常に魅力を感じました。カラーバリエーションの展開だけで個性が出せる点もよいと思います。


「マスクをキープする」という発想が素晴らしいです! 3Dプリンタで試作しながら使用感を確かめるというのは、今後流れとして出てくるかもしれませんね。ただ、欲を言えば機構的に伸び縮みするような機能があると、より実用性が増すと思いました。


とコメントが寄せられています。

 続いては、今井久嗣さんの「Dyson用クーラントライナーマウンター」です。NC加工機の粉じん吸引用に作成したとのことで、これぞカスタム! な作品。

惜しかった作品その2 惜しかった作品その2:今井久嗣さんの「Dyson用クーラントライナーマウンター」

 こちらも

「既製品をカスタムし」なおかつ「実用的である」という点で高く評価しました。使用用途は確かに特殊ですが、こうした「ユーザーによるカスタマイズパーツの開発」は、もしかしたら新しい商品開発のカタチなのかもしれません。Dysonさんにはぜひ参考にしてほしいですね。


これぞ“ザ・カスタムパーツ”ですね。NC加工機の粉じん吸引のために、クーラントライナーホースをDysonに取り付けたい! という明確な目的と実際に作って利用しているという行動力は素晴らしいの一言。用途は限られそうですが、「ほしい!」と手を挙げる人がいそうですね。


といったように非常に高評価でした。

 さらにもう1つ、迷いに迷った作品を紹介しておきましょう。プロトKさんによる「グローブドライヤー」です。その名の通り、濡れた手袋の乾燥を助けるためのグッズです!

惜しかった作品その3 惜しかった作品その3:プロトKさんの「グローブドライヤー」

 こちらに対しては

“個人的に”心引かれたのはこの作品でした。便利グッズでありながらも、素材を選べばインテリアとして機能しそうな美しさです。カスタムパーツとしては、指の部分が取り外しできたり、稼働したりすると面白いですね。


これからの季節に役立ちそうなアイテムです。専用のグローブ/ブーツドライヤーを購入しなくても、簡易的に手袋を効率良く乾かせそうです。3Dモデラボの仕様の関係で容量を抑えての投稿とのことですが、着眼点が良かったと思います。


といったコメントが寄せられました。

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