「SOLIDWORKS WORLD JAPAN 2014(東京)」の開催に併せ、米ダッソー・システムズ・ソリッドワークスのCEOとユーザーグループネットワークの総責任者が来日。3次元設計ソリューション「SOLIDWORKS」の開発の方向性やユーザー向け施策について語った。
ソリッドワークス・ジャパンは2014年11月11日、3次元設計ソリューション「SOLIDWORKS」のユーザーイベント「SOLIDWORKS WORLD JAPAN 2014(東京)」の開催に併せ、米ダッソー・システムズ・ソリッドワークス 最高経営責任者(CEO)のベルトラン・シコ(Bertrand Sicot)氏と同社ユーザーグループ&シニアユーザーアドボカシーのリチャード・ドイル(Richard Doyle)氏を迎えた、報道陣向けのラウンドテーブルを実施。
クラウドや3Dプリンティングなどへの対応方針、ユーザー会やFabLab(ファブラボ)などへのユーザー支援活動について語った。
3次元設計ソリューションの最新版「SOLIDWORKS 2015」では、仏ダッソー・システムズが提供する「3D EXPERIENCE platform」に接続するためのオプション機能が提供されている(関連記事:ユーザー要望を反映し、232件の機能強化を行った「SOLIDWORKS 2015」)。
シコ氏は「将来的に全てのアプリケーションが、いつでも、どこからでもクラウドを介して使えるようになるだろう」と説明。最近、クラウドを前提としたアプリケーションが増加傾向にあるが、「われわれは、ユーザーが望むときに、望む場所から使えなければならないと考えている。そのため、SOLIDWORKS 2015ではクラウド接続の機能をオプションとして提供することにしている」(シコ氏)。
また、新しいデバイスやアプリケーションに関する技術の研究・調査状況についても紹介した。その1つがタブレット端末を活用したものだ。
現在、同社はタブレット端末のカメラを通して対象物を見ると、内部構造がタブレット端末のディスプレイ上に表示されるといったAR(拡張現実)技術を研究しているという。「近年、ビジネスシーンでタブレット端末などが盛んに利用されるようになってきている。当社としても、そうしたデバイスの新しい活用方法を模索している。将来的に、さまざまなデバイスの間にある、ありとあらゆるソフトウェアやアプリケーションを提供できるようになりたいと考えている」(シコ氏)。
SOLIDWORKS 2015では、初めて3Dプリンタへの出力にも対応している。「Windows 8」の3Dプリンタ対応ドライバを利用することで、直接3Dプリントできるようになったのだ。
SOLIDWORKS 2015から3Dプリントを行うための手順は非常に簡単で、2つのパラメータを選択するだけでよい。ユーザーは「ドラフト」と「ハイクオリティ」のどちらかを選び、続いて、材料の中の充填(じゅうてん)率を選ぶだけだ。「画面上だけでなく、3Dプリントして実物として触れられる点は大きい。Windows 8のドライバを使って、シンプルにプリントできるようになったのは利用者にとって朗報といえるだろう」(シコ氏)。
「われわれは、とにかく物事をよりシンプルにしていきたいという願望を持っている。3Dプリンタの利用についても、わずか2つのパラメータ選択するだけですぐに出力できてしまう。ユーザーにとって必要なのはそういった機能性や使い勝手だと考えている」。
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