いよいよ、ダヴィンチ 1.0 AiOのウリである3Dスキャン機能を試してみましょう。
プリントと同様にスキャンの操作も簡単です。クイックマニュアルでは、A4の紙たった1枚で説明されています。スキャン範囲はφ150mm、高さ150mm以内です。
プリントした直後は、造形物が取り出しやすいようにプリントプラットフォームが装置の底面付近、つまりスキャンターンテーブルのすぐ真上にあります。「ホームポジション」に復帰させて、スキャンターンテーブルに物を置けるようにします。スキャンが終わった後は、速やかにスキャン対象物を撤去しておいた方がよさそうです。
ここでは、まず以下の写真のようなコップをスキャンしてみます。
装置の中のテーブルにスキャン対象物(ここではコップ)を置いてから、スキャナ専用ソフトウェア「XYZscan」を立ち上げて、画面上部にある「スキャン」(Scan)アイコンをクリックするだけ。約5分でスキャンは完了します。
ただ残念ながら上のコップについては、そのままプリントできそうなデータは得られませんでした。器の内側は深い影になるため非常に認識しづらいのです。
約12万円という廉価な3Dプリンタに同居している3Dスキャナですから、精度もやはり“それなり”。3Dスキャナの代表的な欠点が顕著に出やすいようです。他にもさまざまな物をスキャンしてみましたが、なかなか良いデータが得られませんでした。面の滑らかさや品質をコントロールする機能はありますが、それで対処するにはそれなりの品質である必要があります。
3Dスキャナはクラスによって程度の差はあれど、黒や白、透過色、光沢、深い陰影、細やかな形状などが苦手です。対象物の色がスキャンでネックになっている場合、ラバーコートなどコーティング材を吹き掛ければ良好に取り込めるケースもあるそうです。
どちらかといえば丸みのある物や人形が得意なようです。実際、上に出てきたクマのぬいぐるみのような状態に直面すると、CGソフトウェアでこねくり回してどうにかしたくなりますね。3Dスキャナで取り込んだままの3次元データは、多かれ少なかれ、CADやCGソフトウェアでの修正を施さなければならないケースがほとんどです。無料あるいは廉価なソフトウェアもあるので、3Dプリンタやスキャンと併せてチャレンジしたいところです。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.