ベンチャー企業の16Lab(ジュウロクラボ)はジェスチャであらゆるデバイスが操作可能できる指輪型のパーソナルコンピューティングデバイス「OZON(オズオン)」を発表。2014年内に予約を開始し、2015年夏の出荷開始を目指すという。
ウェアラブルデバイスおよびソフトウェアの開発を手掛けるベンチャー企業の16Lab(ジュウロクラボ)は、2014年10月24日、指輪型のパーソナルコンピューティングデバイス「OZON(オズオン)」を発表した。2014年内にSDKの公開と予約を開始し、2015年夏に世界8カ国での出荷を目指すという。詳細な仕様や今後の開発・発売スケジュールなどについては予約開始時に発表するとしている。
なお、2014年10月25〜11月3日に東京都港区の増上寺で開催される「Any Tokyo 2014」でOZONのプロトタイプの展示が行われる。
OZONはジャイロセンサーや加速度センサーを搭載しており、指に装着することでスワイプや回転、3Dジェスチャを認識し、スマートフォンやカメラなどのさまざまなデバイスがコントロールできる。また、OZONをオフィスの鍵として利用したり、電子決済を行うことも可能だという。
既に「CEATEC JAPAN 2014(CEATEC 2014)」(2014年10月7〜11日、幕張メッセ)などでデモ機が公開されているが「OZON」というブランド名を今回初めて明らかにした(関連記事:通信モジュール+センサーで多様なウェアラブル機器を実現――アルプス電気)。
OZONという製品名にはさまざまな意味が込められている。OZONの製品デザインやブランドマネジメントの監修を担当しているMTDOの田子學氏は、「ジェスチャでさまざまなものを動かすデバイスなので、大気の中を舞うようなイメージとしてオゾンという言葉を選んだ。そこに、魔法のように物事を変え、新しい世界を作っていくというような意味を込めて『オズの魔法使い』から取ったオズを掛け合わせている。また英字のOを始まりを意味するゼロと見立てて、そこに無限を意味するZを組み合わせた名前でもある」と説明する。
製品の開発方針に「高い信頼性を保った機能性の追求」を挙げる16Labは、OZONの開発にあたり電子部品メーカーのアルプス電気など、主に日本国内のさまざまなメーカーとパートナーシップを構築し、品質の追求を行った。特にアルプス電気とは共同開発という形で強固なパートナーシップを結んでいる。さらに、田子氏が製品デザインやブランドマネジメントの監修を行うことで、OZONの開発からブランディング、販売まで一貫したブランドイメージを構築できる体制を整えた。
16LabのCEOを務める木島晃氏は「身体に装着するウェアラブルデバイスは安全性が全てにおいて最も重要だ。安全性を確保した上で、通信機器としての品質と信頼性、美しさを実現することを目指した。そのため、ハードウェアのリサーチは徹底的に行った。結果的に採用した部品は、ほとんどが日本製の専用部品となった。あらためてメイドインジャパンの技術力の高さを感じた」と話している。
木島晃氏は、以前から次世代のコンピュータは何かということを考えていたという。その中で「メガネ型や時計型などさまざまな可能性は考えたが、新たなユーザー体験を生み出すことを考えた時に指輪型というコンセプトとなった。人が日々の生活で不便だなと思うことを解消するような新しいコンピュータの姿を実現したい」と考えたという。
また今後については、「ウェアラブルデバイス市場を人々の生活に定着させるとともに、その中で主導的な立場を築き上げたい」としている。
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