RTMは生産性に優れることから、CFRPの成形コスト低減に有利だ。サイバネットシステムがRTM解析に特化した統合システムを開発。
サイバネットシステムは2014年10月9日、CFRP(炭素繊維強化プラスチック)の樹脂含浸成形(RTM)解析のための統合システムを開発したと発表した。
高剛性と軽量性を兼ね備えたCFRPは、金属部材の代替として自動車業界において次世代新素材として注目されているが、材料が高価なことや、高度な成形技術が必要なことから、高コストとなってしまうことが課題だ。
RTM法とは、予備成型をしたドライファブリックと呼ばれる炭素繊維のみからなる素材を金型にセットして、そこに樹脂を注入し含浸させる成形手法。自動車のフロアパネルやルーフ、ドアトリムといった大型部品などの製作に向く。同手法は生産性に優れることから、CFRPの成形コスト低減に有利だという。
さらに同手法の成形プロセスの改善と成形後の強度・変形予測について、CAEを用いたシミュレーションを実行することで、研究開発コストを低減させることが期待できる。
新製品では、「ANSYS」の統合操作環境である「ANSYS Workbench」を共通のプラットフォームとし、各プロセスで必要な「Multiscale.Sim」や「PlanetsX」などのソルバーをシームレスに結合させることで、複雑なシミュレーションが効率よくこなせるとのことだ。
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