Nuance Communications(以下、ニュアンス)は、日本市場におけるカーナビゲーションシステム(カーナビ)のユーザーを対象にした音声認識機能の利用実態調査を実施。その結果、20〜30歳代のユーザーの使用頻度が高く、特に音声認識機能を使った運転中のSNSメッセージの送信などに興味を持っていることが分かった。
Nuance Communications(以下、ニュアンス)は2014年9月18日、東京都内で会見を開き、日本市場におけるカーナビゲーションシステム(カーナビ)のユーザーを対象にした音声認識機能の利用実態調査の結果を発表した。
ニュアンスの音声認識エンジンは、Appleの「Siri」はじめ、さまざまな対話型インタフェースに採用されていることで知られている。カーナビについても、トヨタ自動車が2014年6月に発表した「T-Connect」の他、日本のカーナビメーカーが海外市場向けに開発している製品にニュアンスの技術が広く利用されている。ただし、日本市場向けのカーナビについては、カーナビメーカーが自社開発の音声認識エンジンを用いる傾向が強く、ニュアンスの技術の採用比率は低い。
ニュアンス日本法人のニュアンス コミュニケーションズでジャパン オートモーティブ ビジネスユニットのプリシンパルマーケティングマネージャーを務める村上久幸氏は、「ほぼ全ての日本のカーナビメーカーとお付き合いがあるが、売り上げとしては海外向けがほとんどになる。こういったこともあって、米国や欧州におけるカーナビの音声認識機能の使われ方はよく理解している。しかし、ニュアンス日本法人のホームカントリーである日本市場でカーナビの音声認識機能がどのように使われているかについては、あまり分かっていなかった」と、利用実態調査を行っている背景を説明する。
ニュアンスは2009年と2012年にも、日本市場におけるカーナビの音声認識機能の利用実態調査を行っており、2014年の今回は3回目になる。
今回の調査は、100万人規模のアンケート対象者のデータベースを持つインターネット調査企業を使った。この100万人のうち37%のカーナビ所有者から、「音声認識機能付きカーナビ所有者」、「インダッシュタイプカーナビ所有者」、「2011〜2014年式のクルマの所有者」という3つの条件を重ね合わせて絞り込んだ1101人(男性60%、女性40%)が対象になっている。
この絞り込みを行った際に、カーナビの音声認識機能の利用度について、前回の2012年との比較を行っている。その結果、「利用している」ユーザーの比率が、前回の40%から53%まで上昇したことが分かった。「この結果を自動車メーカーに知らせたところ、『われわれの認識と比べて少し高く感じる』という意見をもらった」(村上氏)という。
絞り込みの際には、2011〜2014年、各年式のクルマの所有者がどのようなタイプのカーナビを装着しているかも確認している。すると、メーカーオプションの割合が年々上がる一方で、販売店(ディーラー)オプションや市販のインダッシュタイプカーナビ、PNDの比率が低下していることが分かった。2014年式のクルマの場合、52%がメーカーオプションになっている。
さらにこの中から、メーカーオプションとディーラーオプションのユーザーについて音声認識機能の満足度も調査した。こちらでは、年式を追うごとに音声認識機能に対する満足度が高まるとともに、未使用の割合も減っている。2014年式のクルマの場合、「満足」と「まぁ満足」の合計が63%に達していた。
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