ルネサス エレクトロニクスは、プライベート展「Renesas DevCon Japan 2014」において、ローエンドマイコンを用いる車載システムにも適用可能なAUTOSARソリューションを参考展示した。
ルネサス エレクトロニクスは、東京都内で開催したプライベート展「Renesas DevCon Japan 2014」(2014年9月2日)において、ローエンドマイコンを用いる車載システムにも適用可能なAUTOSARソリューションを参考展示した。
車載ソフトウェアの標準規格であるAUTOSARは、高性能の32ビットマイコンを用いる車載システムを中心に適用が進んできた。ただし、8ビットもしくは16ビットのローエンドマイコンを用いるボディ系システムまでは浸透していない。
ルネサスは2005年ごろから、32ビット車載マイコンの「V850ファミリ」や「RH850ファミリ」を用いる車載システム向けに、パートナー企業が手掛けるBSW(Basic Software)をルネサス製マイコンに最適化したり、ドライバソフトウェアに当たるMCAL(Microcontroller Abstraction Layer)を自社開発したりなどしてAUTOSARソリューションを提供してきた。
一方、ルネサスが16ビットマイコン「RL78ファミリ」を展開しているボディ系システムにおけるAUTOSAR準拠の動きは遅れていた。今回発表したAUTOSARソリューションは、NEC子会社のNEC通信システムが開発した軽量化BSWと、ルネサスが独自開発した軽量化MCALから構成されている。これを使えば、RL78ファミリを用いたボディ系システムの車載ソフトウェアをAUTOSARに準拠させられる。
展示では、AUTOSAR準拠の車載ソフトウェアを実装したECU(電子制御ユニット)から成るCAN通信ネットワークに、非AUTOSAR準拠のレガシーECUを通信接続するため、軽量化BSWと軽量化MCALを用いたAUTOSAR準拠のRL78搭載ボードを「AUTOSARアタッチメント」と呼ぶブリッジインタフェースとして利用するデモを披露した。
ルネサスの説明員は、「大規模な非AUTOSAR準拠のECUをAUTOSAR化するよりも、ブリッジインタフェースとしてAUTOSAR準拠のローエンドマイコンECUを間に挟む方が開発の手間が省けることがある。設置スペースに余裕がある場合には、このような対応を選ぶ自動車メーカーやティア1サプライヤもあるだろう」と述べている。
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