ムトーエンジニアリングは「第25回 設計・製造ソリューション展(DMS2014)」において、自社開発の3Dプリンタ「Value 3D MagiX」シリーズを出展した。
ムトーエンジニアリングは「第25回 設計・製造ソリューション展(DMS2014)」(2014年6月25〜27日、東京ビッグサイト)に出展し、自社開発の3Dプリンタ「Value 3D MagiX」シリーズのデモンストレーションを行った。同モデルは熱溶解積層方式(FDM)を採用している。
同シリーズの特徴は、従来の競合機に比べて、セットアップが容易であることや故障の少なさがメリットだという。海外のオープンソース機などは、セットアップから自分で行い、調整や修理が必要なことも多い。いわゆるメカに詳しい人や調整作業も含めて行える人向けで、簡単には購入しづらかった。調整はできないがそれでも3Dプリンタを使いたい人にとっては、同製品の扱いやすさは大きなメリットになるという。
2013年12月に発売された最初のモデル「MF-1000」はシングルヘッド、最大造形サイズは200×200×170mm、最小積層ピッチは0.05mm、価格は20万円(税別)。2014年5月に新しく発売された機種「MF-2000」はダブルヘッドで最大造形サイズが300×300×300mm、最小積層ピッチは0.1mm、価格は45万円(税別)となる。
セットアップの作業は必要なく、制御ソフトおよびスライサーソフトをPCにインストールして、フィラメントをセットすればすぐ使える状態になるという。ソフトについてはオープンソースのPronterfaceおよびSlic3rを日本語に翻訳したものが付属する。詰まりやすいといわれるノズルについては、ソフト上にあるフィラメントの送り機能で対処することも可能だ(図)。またノズルはネジで取り外しできるため、詰まったりした場合でも個人で交換できる。交換用のノズルは1万円となる。
開発は2013年8月に開始したという。ムトーエンジニアリングが3Dプリンタを開発した背景には、もともと同社が製図用プロッタや業務用大型プリンタなどを製造する企業だということがある。そのため3Dプリンタも従来持っている技術の延長線上にあり、同社にとっては「2次元に高さが加わったもの」(ブースの説明者)という形になるようだ。
同社では当初個人の購入を想定していたが、発売後は企業の引き合いが多く驚いたとしている。個人による購入は3割程度だということだ。ハイエンドの3Dプリンタは高価だが3Dプリンタを使いたいというニーズに加え、ハイエンド機は持っているがより手軽に使いたいという「試作前の試作」需要があるという。
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