いすゞ自動車は、バイオベンチャーのユーグレナと共同で、ミドリムシ(微細藻類ユーグレナ)由来の次世代バイオディーゼル燃料の実用化に向けた「DeuSEL(デューゼル)プロジェクト」を始める。
いすゞ自動車は2014年6月25日、ミドリムシ(微細藻類ユーグレナ)を用いた製品を展開するバイオベンチャーのユーグレナと共同で、ミドリムシ由来の次世代バイオディーゼル燃料の実用化に向けた「DeuSEL(デューゼル)プロジェクト」を始めると発表した。同プロジェクトでは、ユーグレナが次世代バイオディーゼル燃料の研究開発と生産を、いすゞ自動車がその燃料の評価を担当し、2018年までの技術確立を目指す。
また活動の第一歩として、同年7月1日から、いすゞ自動車の藤沢工場シャトルバスの定期運行に、ユーグレナが1年をかけて開発した、ミドリムシ由来のバイオディーゼル「DeuSEL」を燃料に使用する。
二酸化炭素を吸収して成長する植物を原料とするバイオ燃料は、燃焼してもCO2の総量を増やさずに済むため、地球温暖化対策に効果的といわれている。バイオ燃料の中でも、注目を集めているのが微細藻類を活用したもので世界中で取り組みが進んでいる(関連記事:工場排水で育てた藻からバイオ燃料を生産、デンソーが2020年をめどに開発)。
ユーグレナは、独自のミドリムシの屋外大量培養技術を活用し、微細藻類由来のバイオ燃料開発を推進している。同社といすゞ自動車は、今後も軽油の需要が高いと思われる長距離輸送車向けで、バイオディーゼル燃料開発の必要性に着目し協議を進めていた。
ユーグレナが開発したDeuSELは、ミドリムシを原料とする点では世界初だが、従来型のバイオディーゼル燃料と同様に高濃度で利用するには、エンジンや車両への特別な対策が必要となる。両社は、今回のプロジェクトを通して、含有率100%でも車両のエンジンに負担を掛けずに使用できるミドリムシ由来の次世代バイオディーゼル燃料の実用化を目指すとしている。
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