新型コペンは、スポーツカーとしての走行性能についても高いレベルを追求。軽自動車の枠内にあった初代コペンから、欧州自動車メーカーのBセグメント車に匹敵する操縦安定性と乗り心地が目標となった。
高剛性のD-Frameと併せて、足回りに専用チューニングを施している。フロントサスペンションはマクファーソンストラット式、リヤサスペンションはトーションビーム式と一般的な軽自動車と同じだが、取り付け点を含むサスペンション剛性の向上と、ロール剛性バランスの最適化を図った。
空力性能についても改良を施した。初代コペンが後輪側の揚力が高過ぎたことを考慮し、新型コペンでは後輪側の揚力を約60%低減。車両の四輪の接地感を高め、安定感のある走りの実現が可能になったという。車体の空力性能を示すCd値も約6%低減し、燃費性能の向上につなげている。
パワートレインは、最高出力47kW(6400rpm)/最大トルク92Nm(3200pm)のDVVT(可変バルブ機構)付き直列3気筒ターボエンジンや、マニュアルシフトと同じ感覚が得られる7段変速スーパーアクティブシフト付き無段変速機(CVT)など、ダイハツ工業の車両で実績のあるものを採用した。スポーツカーとしての走行性能を持たせるため、エンジンとトランスミッションの協調制御にも専用チューニングを加えた。
トランスミッションは、5段変速のマニュアル変速機(MT)も選択できる。「初代コペンは顧客の約30%がMTを選択していた。新型コペンでもMTを外すことはできない」(藤下氏)という。
スポーツカーらしいエキゾーストサウンドを実現するため、専用のマフラーを開発した。デュアルテールパイプマフラーのメインマフラーの共鳴構造により、走り出しの力強さにつながる爆発1次成分や、高回転側の気持ちのよさにつながる爆発2次成分を強調。その一方で、吸音材を設定し、気流音は低減している。
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