さて、そのように華やか過ぎて目まいしそうなスーパーカーの数々とともに、今回とても多かったのがコンパクトカーのワールドプレミアです。
それもIAAや東京モーターショーのように、未来感溢れるコンセプトカーやデザインスタディなんかではなく、リアルに商品化を目前にしたモデルがとても多く見受けられました。
例えば、Volkswagen(フォルクスワーゲン)は「ゴルフGTE」を初公開。GTEは、その名の通り「ゴルフGTI」の延長線上にある車両で、環境と走りのより高い次元での融合を図っています。
もちろんこの“E”は、エレクトリックのEですが(同時にエモーショナルのEでもあるとか!)、既に発表されている電気自動車「eゴルフ」とは全く違います。排気量1.4lの直噴ターボエンジンとモーター、6速デュアルクラッチトランスミッション(DCT)を組み合わせた、プラグインハイブリッド車(PHEV)なのです。
ゴルフGTEのライトの中を貫通する蒼いライン、これなんかはeゴルフと共通させていますが、よく見るとディティールは確かにゴルフGTI。ヘッドランプ下の3本フィンのあたりなんて未来的でカッコイイ解釈がなされています。ま、個人的には、見た目にもうちょっと差をつけても良かったんじゃないかとも思いますが、見立ち過ぎないというのも「ゴルフ」の個性ですからこれでヨシなのかもしれません。なんたってスペックがいい。
システム出力は204ps、最大トルクは350Nmですから、本当に“GT”の名を冠するに恥じないモデルになっているわけです。
その他にも、エンジンをフルラインアップさせた新型「ポロ」や、またゴルフをベースにした小型3ドアSUV「T-ROC」も発表されました。
う〜ん、なんだかミニマイズなモデルが多いですね。
トヨタ自動車は、欧州専用車「アイゴ」をフルモデルチェンジ。ブースに、まるでチョコレートの箱を開けたみたいにカラフルなアイゴをぽんぽんと並べてアピール!
これまた、「なんで日本で売ってくれへんのや!」とじだんだ踏むくらいのメカっぽさ、可愛らしさ!
うん、これもコンパクトカーですよ。
さて、アイゴのエンジンは、Peugeot(プジョー)とCitroen(シトロエン)ブランドを展開するPSAとの合弁会社で製造されています。もちろん両ブランドとも、このエンジンを搭載する車両を発表しました。プジョーは「108」、シトロエンは「C1」です。
もともと廉価にクルマを提供するために合弁会社を作った3社ですが、ここにきてかなりの高級路線に変更!? エンジンが安く済むから、その分エクステリアに力入れてみましたがどうでしょう、みたいな美の競演はかなりの見応えがありましいた。
んでもって、これらもコンパクトカーです。
さて、シトロエンといえば、2007年のIAAで公開されていたコンセプトカー「C4カクタス」(初登場時は「Cカクタス」という名前だったんですよね)がいよいよ市販車になって登場するというのも話題でした。
もともと“超低環境負荷”で、ハイブリッド・ディーゼルカーのコンセプトモデルとしてキックオフしたC4カクタスですが、ジュネーブショーでは、なんとまさかのパワートレイン非公開! しかしそのルックスはコンセプトカーのイメージを崩さないポップで独自性のあるもの。もちろん従来の概念を覆す細工、例えば部品点数を減らすためにダッシュボードをなくしたとか、そのためにサンシェードの部分にエアバッグを組み込んだとか、さすがシトロエンやってくれます。ゴーイングマイウェイ☆
でもこれもコンパクトクロスオーバーです。
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