航空機や、船舶、自動車とは異なりますが、大多数のエレクトロニクスでも何らかのハーネスが使われています。
コネクタとケーブルが使われていない電子機器を見つけるほうが困難でしょう。
多くの場合、電源は電源装置からケーブルで基板に供給されます(図7)。
大多数の基板は多くの電子機器はスイッチやディスプレイ、LEDなどのマン・マシン・インタフェースをもっています。これらのIO装置はメイン基板に直付けされている場合もありますが、サブ基板としてメイン基板とケーブルを介して別基板化されるものも多くあります(図8)。
ハードディスクを使用する機器では基板とディスクの接続にはSATA(Serial ATA)ケーブルで接続されます(図9)。
コンシューマの携帯機器や小型機器では筐体デザインに応じて基板外形と大きさが決まるため、基板を複数に分割して、基板間で信号を接続します。
基板と基板の接続には、直接コネクタで接続する方式(Board-to-Board)(図10)、フレキに部品を搭載したり(図11)、フレキと基板を積層したリジットフレキ基板を使う方式、はんだ付けのジャンパを使用した方式(同図)や、ハーネスを利用した方式などがあります。ケーブルとしてはフラットケーブル(図12)、一般的なハーネス(電線)(図13)、同軸ケーブル(細線同軸)(図14)などが使われます。
これらについては、コネクタを含め価格や電気特性で長短があり、これらを勘案して適当なものを選びます。
高速信号で配線の特性を重視する場合は、同軸ケーブルやグランドプレーンのある2層フラットケーブルが使われます。信号線が少ない場合には同軸ケーブル、多い場合にはフラットケーブルがよく使われます。信号が中程度の場合はコストを考えて1層フラットケーブルで信号の両側にグランドネットを配線するコプレナー配線(図15)を使って配線のインピーダンスを制御します。 同軸ケーブルはインピーダンスは安定しますが、あまりに細いと高い周波数の信号では損失が大きくなるので、注意が必要です。フラットケーブルの特性は意外と良いのですが、2層化した場合、基板と異なりプレーン層と信号層の間隔が狭く、厚さを変更できないため、そのままでは希望の配線インピーダンスが得られない場合があります。
このような場合、プレーン層をメッシュにしてコントロールします(図16)。
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