自動車も近年、電気化が急速に進みハーネスが多くなってきました。
自動車もやはり昔はメカや油圧ですべての制御を行っていました。自動車のハーネスはランプ類やオーディオなどに限られていました。1980年代半ばからエンジンの電子コントロールが研究され始め、1990年代になり実用化が始まりました。特に排ガス規制などにより、燃料と空気の比率や発火タイミングのコントロールなどエンジンやギアの最適制御が必要でした。
このため多くのセンサやコントローラ(電子制御ユニット=ECU:Electronic Control Unit)が必要となり、これらのインタフェースも共通規格化されました(図4)。
その後、自動車のエレクトロニクス化は急速に普及化とその使用範囲を広げ、目的と適用範囲に応じていくつかの分野で各々規格化が行われました。
自動車用ハーネスとコネクタは航空機ほどではないものの、信頼性と環境条件は一般エレクトロニクスとは比べ物にならないほど厳しいものです。また、大量に出るものなので、価格に対してもコスト低減は重要ですが小型化や高密度実装への要求はそれほどありません。
現在、カーエレクトロニクスは不振の家電エレクトロニクス製品に比べ、まだまだ用途拡大と発展余地があるということで電子部品業界からも注目されています。ASICにしても家電AV用製品にかわり、車載用製品の開発に注力しています(図5)。
今後、ガソリンから電気への転換は当然として、衝突予防装置から、自動運転への流れが注目されています。現在のスマホやタブレット、ノートPC以上のメモリ容量とデータ処理、通信能力がカーエレクトロニクスに要求されます。
航空機ほどではないものの、自動車は一般家電製品に比べ筐体が大きく、ハーネスも長いものとなります(図6)。また、エンジンやパワーモータは大きなノイズの発生源となり車載電子回路やハーネスはEMS(電磁感受性)が大きな問題となります。
信号の高速化、EMS対策は車載ハーネスの光ケーブル化への大きなドライブとなるでしょう。航空機のFBL(Fly-by-Light)よりも自動車のDBL(Drive-by-Light)の方が数量や一般性から社会へのインパクトは大きいでしょう。
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