業績好調の自動車業界。「転職先」として見た場合の将来性は?モノづくりエンジニアのキャリアづくり

業績回復に伴い、人材採用が活発化している自動車関連のメーカー各社。最近の傾向として、技術力だけではなく「英語力」の有無が転職の成否を左右するようになってきています。

» 2013年10月17日 10時00分 公開
[MONOist]
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本記事はインテリジェンスが運営する転職情報サイト「DODA」の記事に加筆・修正して転載しています。



 電気・ソフトウェア系エンジニアの方々を担当している、DODAキャリアコンサルタントの三留翔太です。

 今回は、製造業の中でも業績好調で、将来的にも伸びるであろうと予測される自動車業界についてお話ししたいと思います。

「新興国の市場ニーズにどれだけきめ細かく応えられるか」が成長のカギ

 国内での販売台数が減少していた自動車メーカー各社は、アメリカや新興国など国外を主要マーケットとして拡大を続けてきました。しかし2008年、リーマン・ショック後の世界的な経済危機に、アメリカを発端として中国・インドといった新興国までもが影響を受け、自動車販売台数が急落する事態となりました。

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 もともと不振だった国内の自動車販売数もさらに落ち込み、自動車メーカー各社の業績は急速に悪化、2009年3月の決算では大手各社が大幅赤字を計上しました。以降、2011年まで低水準の推移を見せた自動車業界ですが、円高是正の影響、また今年に入りアベノミクスがもたらした経済効果もあり、各社とも業績を回復しています。逆風が続いてきた日本の自動車メーカーにとって、今ようやく明るい兆しが見えてきました。

 アメリカの調査会社IHSオートモーティブは、2020年までの世界の自動車市場に関する予想をまとめており、新車販売は2017年に全世界で1億台に達し、そのうち新興国比率は63%に膨らむという予想をしています。開発や生産の現地化で新興国の市場ニーズにきめ細かく応えられるかどうかが、各社の成長のカギと言われています。そのため、大手の完成車メーカー、サプライヤー各社の人材採用活動も活発化しており、外資系サプライヤーも含めて即戦力を積極的に募集しています。

技術力+「英語力」で転職活動を有利に

 このような背景から、技術だけではなく「英語力」が、採用のポイントになるケースが増えてきました。

 最近あった転職事例では、自動車業界未経験ながら半導体領域における携帯電話の高周波技術をお持ちで、プロジェクトマネジメント経験もある40代前半の方が、「技術」と「英語力」を高く評価され、外資系サプライヤーに転職されました。転職先では、車載システムに携わる部署に配属となり、海外の開発拠点と日本仕様の調整をするポジションで活躍されているそうです。

 また、民生用電子機器の組み込み開発経験をお持ちの方で、英語を使っての業務経験がある30代前半の方も、「組み込み開発経験」に加えて「英語力」が高く評価され、転職前と扱う製品は全く違いますが、自動車関連企業への転職をされました。

 扱う製品が違っても、ご自身の技術的な強みをしっかり把握してアピールすることで転職可能性が高まります。さらに、グローバルに活躍の場が広がる今の自動車業界では「英語力」があるとより有利に転職活動を進めることができるでしょう。

 将来有望な業界への転職について相談されたい方は、ぜひ私たちキャリアコンサルタントまでお気軽にご相談ください。

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