また「Using Technology to Enable the Service Continuum」をテーマとしたセッションでは、蘭フィリップスヘルスケアからサービス部門に関連する2人が登壇し、フィリップスヘルスケアを取り巻くサービスの環境と実際の活用事例などを紹介した。
フィリップスヘルスケアは、2006〜2011年にかけて「Service Parts Supply Chain」(SPS)を刷新。担当したグローバルサービスパーツサプライチェーン担当バイスプレジデントのジョン・シュランジャー(John Schlanger)氏が情報システムの必要性をアピールした。
フィリップスヘルスケアは医療機器をグローバルに展開している。シュランジャー氏は「一般企業と異なるところは、フィリップスヘルスケアは生命にかかわる機器を扱っているということだ」と強調する。しかし、一方でシステム刷新を行う前は、サービスパーツのサプライチェーンは国ごとに対応が異なり、システムも異なっており、その中で多くの問題が発生していたという。
「私は社内で安定したサービスが提供できないと訴えていたが、当時は誰も聞いてくれなかった。しかし『サービスエンジニアは素晴らしいが、サービスパーツ部門はフィリップスの価値をつぶしかねない』とまで言われ、改革に踏み切ることができた」とシュランジャー氏は話す。
新たなシステム構築に向けて、過去のサプライチェーンや組織、プロセスなどを全て見直し、再構築を行った。そして共通の業務プロセスを用意しグローバルシステムの導入を行った。コア部分とノンコア部分に分けて導入を進めたことが特徴だ。パーツプランニングはコアと定め内部に残した一方、倉庫運営などは外部に委託した。
シュランジャー氏は「カスタマーサービスは大きな視点で見る必要がある。適切なサービスを提供するためには統合された仕組みがなければならない。価格体系や部品管理、ナリッジマネジメントなど全て一貫性が必要になる。消極的な方法ではなく積極的な形で見方を変えることで、大きな可能性を秘めている」と話している。
一方、同じくフィリップスヘルスケアのサービスインフォメーションサプライチェーン担当バイスプレジデントのテレサ・ドルバート(Theresa Dolbert)氏は、サービスにおけるインフォメーションサプライチェーンの活用について紹介。実際に採用するPTC Servigistics Service Centerによる画面を操作しながら、メリットを訴えた。
ドルバート氏は「必要なときに必要な情報を最適な形で提供できる仕組み作りを目指している。ドキュメント中心の情報から、フィールドサービスエンジニアが必要な製品情報中心のものに変革できるか、ということに取り組んでいる。最適なサービスを実現するにはサービスインフォメーションテクノロジーの構築が欠かせない」と話している。
世界市場を見据えたモノづくりを推進するには、エンジニアリングチェーン改革が必須。世界同時開発を実現するモノづくり方法論の解説記事を「グローバル設計・開発」コーナーに集約しています。併せてご参照ください。
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