キャトルアイ・サイエンスは新製品「ASNARO Version 2」を発表。解析・シミュレーションのデータだけでなく、解析レポート、実験データ、会議メモなどさまざまな関連情報を簡単に登録、閲覧、共有できる。オープンソースソルバや独自開発コードにも対応。解析作業のワークフローの効率化や技能伝承に利用できる。
ソフトウェアベンダーのキャトルアイ・サイエンスは、2013年6月4日、解析・シミュレーション向けデータ管理システム「ASNARO(アスナロ)」の最新版「ASNARO Version 2」を発売する。「ASNARO」は、研究向け多機能Webサービスミドルウェア「RCM(R&D Chain Management) System Software」を基盤としたソフトウェアプラットフォーム。CAEソフトウェアや実験データを自動的にデータベース化して管理する機能に、プリ/ソルバ/ポストなどのジョブ投入機能や解析作業のワークフロー機能などを統合できる。GUIによる直感的な操作がメインで、データベース設計やコーディングが必要ない。マルチベンダー対応のシステムであり、オープンソースソルバや独自開発コードも標準化・自動化できる。
最新版は、階層化された分類フォルダによりファイルや関連情報を簡単にデータベースへ登録・閲覧可能にするオプション機能「ASNARO Explorer」や、ワークフロー機能と連動する自動タグ付け・分類機能などの新しい機能が加わった。解析・シミュレーションのデータだけでなく、解析レポート、実験データ、会議メモなどさまざまな関連情報を簡単に登録、閲覧、共有できる。デスクトップPC、スーパーコンピュータ、PCクラスタ、クラウド環境、グリッド環境など、さまざまな環境でアプリケーションを自動実行でき、メタ情報の自動付与などの機能も拡張した。データベース検索速度の性能は前バージョン比で最大5倍程度まで向上したという。
従来、企業や研究機関の解析システムにおいて、データ共有やルーチン作業の自動化を図ろうとすると、導入初期のデータ構築費用や維持改修費用が膨大に掛かっていた。またシステムを高度化すればするほど適用範囲が狭くなり、利用率がかえって低下するという問題もあった。またファイルサーバやファイル共有システムを導入して社内ルールを定め、データファイルや解析情報の共有化を目指しても、手動での登録作業が煩雑であり、ファイル登録時にPCのCPU負荷が掛かることなどから、データの利活用に至っていないのが実情だった。ASNAROは解析・シミュレーションユーザーのデータ構築や維持・管理を省力化し、ムダを減らし作業効率を高めることを目的としている。
「ASNARO」のライセンスは、「年間利用ライセンス」と「永久利用ライセンス」の2つ。利用するユーザー数により価格は異なり、「年間利用ライセンス」が180万円(10ユーザー)から、「永久利用ライセンス」が540万円(10ユーザー)からとなっている。最新版であるASNARO Version 2の新機能ASNARO Explorerはオプションで、「年間利用ライセンス」の場合は18万円(10ユーザー)から、「永久利用ライセンス」の場合は54万円(10ユーザー)からとなる。
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