Shape LODセグメントには、特定の形状のLODまたはその代替表現に対する幾何形状定義データ(頂点、ポリゴン、法線など)を定義するエレメントが含まれます。Shape LODセグメントは一般的に、Shape LODセグメントの遅延ロード型プロパティアトムエレメントを介して形状ノードエレメントによって参照されます。
JTフォーマットがサポートしているShape LODエレメントには、頂点Shape LODエレメント、トライストリップ(tri-strip)セットShape LODエレメント、ポリラインセットShape LODエレメント、ポイントセットShape LODエレメント、ポリゴンセットShape LODエレメント、ヌルShape LODエレメントなどの種類があります。
また、プリミティブセットShape LODエレメントは、プリミティブ形状(直方体、円柱、球体など)のリストに対してLODを手続き型で生成するのに必要な最小限のデータを定義します。
メタデータセグメントは、JTファイルの個別のアドレス可能セグメントに大量のメタデータコレクションを保存するのに使用されます。メタデータを個別のアドレス可能セグメントに保存することによってメタデータを遅延ロードできるように、参照先を構成できます。
プロパティプロキシメタデータエレメントは、特定のメタデータノードエレメントに関連付けられている全てのメタデータプロパティの「プロキシ」として機能します。プロキシは、キーや値を持つプロパティペアのリストになっていて、キーは値の型と意味を識別します。プロパティキーは常に文字列データ型ですが、値はさまざまなデータ型を取ることができます。
PMIマネジャーメタデータエレメントのデータコレクションには、パート/アセンブリの製品加工情報として、PMIエンティティ、PMIアソシエーション、PMIユーザー属性、PMI文字列テーブル、PMIモデルビュー、汎用PMIエンティティ、PMI CADタグデータ、PMIポリゴンデータが含まれます。
JTファイルフォーマットは高い圧縮/エンコーディングアルゴリズムを使用し、データをコンパクトかつ効率的に表現します。圧縮アルゴリズムタイプは、標準のデータ型であるかどうかを問わないZLIB圧縮から、圧縮するデータ型の特性に関する情報を利用する高度な演算アルゴリズムまで選択できます。
JTフォーマットのデータコレクションの一部は常に圧縮フォーマットで保存されますが、他のデータコレクションは可逆圧縮を用いた方法から非可逆圧縮を用いた方法まで、さまざまな品質レベルの圧縮保存フォーマットをサポートします。多くの圧縮方法をサポートしているため、JTデータの作成者はデータの圧縮比と精度のトレードオフ関係を細かく調整可能です。
第2回ではJTフォーマット概要や仕様について紹介しましたが、第3回では、APIであるJT Open Toolkitや、JT Openプログラムについて紹介します。
世界市場を見据えたモノづくりを推進するには、エンジニアリングチェーン改革が必須。世界同時開発を実現するモノづくり方法論の解説記事を「グローバル設計・開発」コーナーに集約しています。併せてご参照ください。
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