さて、連載第1回の最後のチームは国士舘大学「Kokushikan Racing」(チームリーダー今井悠斗さん:以下I)です。
今年はシェイクダウンが完了できず、動的審査には出場できなかった国士舘大学にMONOistの記者さん(以下M)も、質問しています。
S 今年の調子はどうですか?
I 結局シェイクダウン証明が出来ずに静的審査だけの参加になってしまいました。
M どうして活動が遅れてしまったのですか?
I 部員が少なく、なかなか作業がはかどりませんでした。今もエンジン始動に向けて作業している所です。
S メンバーは何人いるの?
I 部員そのものは8人位ですが、実働は5人です。
M 芝浦工業大学も一時メンバーが集まらず部の存続の危機があったみたいですが、それを乗り越えたようです。お話ししてみたら、何かヒントがあるでしょうか。
I はい、実はもう話をしてみたのですが、あちらは最低でも10人はいたということなので……、こちらはもっと危機的状況ですね。
S 女子部員入れれば、集まって来るよ!
I うちの学校は、もともと女子の数が少ないんですよ。
S 車やバイクを趣味とする大学生自体が少なくなっちゃったしなぁ。
I いや、「車好き」自体は、結構いるんです。「この活動がキツい」ってことがイメージとして知れ渡っちゃってて、なかなか新入生に入ってもらえないんです。
S そうなんだ……。市販車買ってドライブデートしていた方が楽しいってわけか。それも悲しいなぁ。われわれおじさんたち(山下さんも勝手に同類にしている筆者。笑)は30年もバイクや車に乗り続け、それも市販のままじゃ満足できずにいじり倒し、パーツを自作したりしてきたんだけど……。そういう人種はもう少なくなっているんだろうなぁ……。
ここでエンジンが掛かりました。しかし、4気筒エンジンなのに排気音は単気筒……。まだまだ時間がかかりそうです。
この記事を読んだ国士舘大学の学生諸君! 「ぜひこの素晴らしき活動に参加しようよ!」
昨年に比べて飛躍的に成績アップした静岡理工科大学、前回から大きく順位を落とした芝浦工業大学、上智大学。動的審査にすら進めない国士舘大学と悲喜こもごもですが、これがまさにモノづくりの難しさであり苦しさであり、そして楽しさであり素晴らしさなのです!
さて、連載第2回は引き続きいくつかのチームへのインタビューを紹介します。インタビューされたのに今回掲載されなかったチームの皆さん、お楽しみに!
関伸一(せき・しんいち) 関ものづくり研究所 代表
専門である機械工学および統計学を基盤として、品質向上を切り口に現場の改善を中心とした業務に携わる。ローランド ディー. ジー. では、改善業務の集大成として考案した「デジタル屋台生産システム」で、大型インクジェットプリンタなどの大規模アセンブリを完全一人完結組み立てを行い、品質/生産性/作業者のモチベーション向上を実現した。ISO9001/14001マネジメントシステムにも精通し、実務改善に寄与するマネジメントシステムの構築に精力的に取り組み、その延長線上として労働安全衛生を含むリスクマネジメントシステムの構築も成し遂げている。
現在、関ものづくり研究所 代表として現場改善のコンサルティングに従事する傍ら、各地の中小企業向けセミナー講師としても活躍。静岡大学、静岡理工科大学、早稲田大学大学院、豊橋技術科学大学で講師として教鞭をにぎる。
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