「下向き」から「前向き」へ、デンソーが新構造の自動車用ホーンを発売高級感あるクリアな音質に

デンソーは、自動車用ホーン(クラクション、警笛)の新製品「JHORN HYPER」を発表した。「世界初」(同社)の音響構造により、ホーンの音が車両の前方に向かって響くことを特徴とする。

» 2012年11月02日 14時12分 公開
[朴尚洙,MONOist]
デンソーの自動車用ホーン「JHORN HYPER」

 デンソーは2012年11月2日、自動車用ホーン(クラクション、警笛)の新製品「JHORN HYPER」を発表した。「世界初」(同社)の音響構造により、ホーンの音が車両の前方に向かって響くことを特徴とする。価格はオープンで、実勢価格は3990円を想定している。年間販売目標台数は5000台。

 自動車用ホーンは、ほとんどの場合、エンジンルームの最前部に搭載される。もし、降雨時などにフロントグリルから入ってくる水がホーン内部に入ると破損してしまう。この被水による破損を防ぐため、ホーンの開口部を下向きにして設置するのが一般的だ。しかし、音が地面に向かって発せられるので、最終的に外に聞こえるのは地面に反響した音になる上に、遠くに音を伝えにくいという課題があった。

自動車用ホーンの音の響き方 自動車用ホーンの音の響き方。左はデンソーが発表した「JHORN HYPER」、右は一般的な自動車用ホーンである。(クリックで拡大) 出典:デンソー

 JHORN HYPERは、開口部を防水カバーで覆うとともに防水壁などを工夫し、あらゆる方向からの被水に対応できるような仕組みを導入。従来の自動車用ホーンでは難しかった、開口部を前方に向けることに成功した。さらに、製品内部の共鳴室で音を増幅し、反射板を使って音の指向性を確保するというデンソー独自の構造の採用により、車両前方への音圧は従来品と比べて3dB向上した。「より高級感のあるクリアなサウンドを実現した」(同社)という。

 なお、2012年2月発売の市販車両に、JHORN HYPERと同じ構造を持つホーンが採用されている。

「JHORN HYPER」の構造 「JHORN HYPER」の構造。左は車両前方への音圧を高めるための構造で、右は被水による破損を防ぐ防水構造である。(クリックで拡大) 出典:デンソー

 主な仕様は以下の通り。定格電圧は12V。電流の最大値は5A。音圧は1m前方で117dB、1m前方で111dB。周波数は高音側が480Hz/低音側が400Hzとなっている。

 同社のWebサイトで、JHORN HYPERの音色を試聴できる。

デンソーの「JHORN HYPER」 デンソーの「JHORN HYPER」 出典:デンソー

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