セキュアマイコン向けミドルウェア/開発支援ツールを販売、日本ラッド組み込みセキュリティ技術

日本ラッドは、ルネサス エレクトロニクスのセキュアマイコンの機能を組み込み型ユーザーアプリケーションから簡単に利用するためのミドルウェアと各種開発支援ツールを開発し、販売を開始した。

» 2012年09月11日 13時14分 公開
[八木沢篤,@IT MONOist]
セキュアマイコン向けミドルウェア

 日本ラッドは2012年9月11日、ルネサス エレクトロニクス(以下、ルネサス)が開発・販売するセキュアマイコンの機能を、組み込み型ユーザーアプリケーションから簡単に利用するためのミドルウェア、および各種開発支援ツールを開発し、販売を開始したことを発表した。

 ルネサスが運営する「R-Carコンソーシアム」の会員であり、セキュアマイコン向けミドルウェアの開発パートナーとなっている日本ラッドは、ルネサスのセキュアマイコンと連携した、署名検証、暗復号、ネットワークセキュリティなどを利用できる独自の簡易APIを開発。マルチプラットフォームに対応し、Linux、ITRON、Windows Embedded、QNXをサポート。ポーティングも容易であるため、組み込みアプリケーションの開発効率の向上に貢献できるという。さらに、ログ解析ツールと連携し、ユーザーアプリケーションも含めた実行解析をサポートする機能も標準パッケージに搭載される。

 ICカード、スマートフォン、情報家電、自動車関連機器など、組み込みシステムの利用は多岐にわたり、ユーザー数も急増している。加えて、PC/サーバの利用基盤においては、早くから注目されてきた情報セキュリティのリスク分析およびその対策が、組み込みシステムでも急速に適用・普及が始まっている。

 特に、ネットワーク接続機能を備えた機器が、インターネット経由でサービスプロバイダーのサーバに接続されることで発生する、情報漏えい、改ざん、なりすましなどが大きな脅威となってきている。こうしたリスクを排除する上で、セキュアマイコンの利用は有効であり、「正当性証明機能」「データの暗号・復号機能」「耐タンパ設計によるハードウェア」を実現できるという。

 日本ラッドは、各種組み込みシステムにこのセキュアマイコンを容易に搭載できるミドルウェアおよび各種開発支援ツールを開発。今後、同ミドルウェアが、カーナビゲーションシステム、車載情報端末、ATM端末、KIOSK端末、電気自動車(EV)の充電設備、近距離無線通信などの分野に、拡大していくことを見込んでいる。

>>その他の「組み込みセキュリティ」関連記事はコチラ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.