どこでも広げて発電、ケータイや家電が使えるスマートグリッド

太陽電池の使い道は住宅の屋根置きだけではない。コンセントがない場所で、ケータイに充電する、家電を動かすといった使い方にも適する。折りたたみ可能で持ち運びやすい製品にはどのようなものがあるのだろうか。

» 2012年03月19日 22時00分 公開
[畑陽一郎,@IT MONOist]
どこでも広げて発電、ケータイや家電が使える 携帯して使える太陽電池

 太陽電池の魅力は、再生可能エネルギーであること、燃料を使わずに発電できることだ。つまり送配電線(コンセント)がなくても電力が得られる。コンセント不要という太陽電池の性質は当初からよく理解されており、製造コストが非常に高かった過去、太陽電池の用途といえば、人工衛星や灯台だった。早くも1958年には米国のヴァンガード衛星がSi(シリコン)太陽電池を搭載、これはSi太陽電池が開発されてからわずか4年後のことだ。

 日常生活で宇宙に出掛けることはないが、野山に出掛けることはある。災害時にはコンセントが使えなくなることもあるだろう。このような用途に向く太陽電池は既に製品化されている。

 例えば、オーエスは可搬型の太陽電池を「どこでも発電」シリーズとして、製品化している。2012年3月14日に発売した「GSR-191B」(図1)の特徴は、交流100Vが使えること。角柱型の本体から太陽電池シートを引き出して使う。

図1 可搬型太陽光発電機 どこでも発電「GSR-191B」 厚さ1mmのフレキシブルなアモルファスSi(シリコン)太陽電池で発電する。製品の寸法は幅860mm×奥行き150mm×高さ153mm。太陽電池シートの長さは最大3650mm。重量は11.5kg。出典:オーエス

 角柱部分に電圧12V、容量15Ahのニッケル水素二次電池が組み込まれており、満充電時には、交流100Wで100Wの電力を50分間供給できる。太陽光発電による充電時間は8〜10時間。充電用ACアダプターを使ってあらかじめ充電可能だ*1)

*1) 太陽電池で充電しながら電力を供給することもできる。ただし、ニッケル水素二次電池の容量が0に近い状態では安定した電力供給ができない場合があるという。

 交流100V以外に、シガーソケット互換の直流12VやUSB互換の直流5Vを出力する端子も付いている(図2)。なお、GSR-191Bは受注生産品であり、オープン価格である(市場推定価格は40万円前後)。

図2 100V交流以外に2種類の直流出力が可能 筐体寸法を比較している「GSR-111B」は12V出力が可能な小型製品。出典:オーエス

ノートPC用製品もある

 汎用品ではなく、ノートPCに特化した太陽電池関連製品もある。同社が3月21日に発売予定の「GSN-160B」(受注生産品、オープン価格、市場想定価格20万円前後)だ(図3図4)。

 出力32W(19V)のアモルファスSi太陽電池シート2枚とリチウムポリマー二次電池(容量18000mAh)を組み合わせた製品だ。満充電時にノートPCを約6時間利用可能だという。太陽電池を使って二次電池に約5時間で充電でき、付属のACアダプターでも充電可能だ。

図3 どこでも発電「GSN-160B」 図左上は収納バッグ、その右側が折りたたんだ状態の太陽電池、中央の帯が展開した状態の太陽電池(長さ1930mm×幅380mm×厚さ2mm)である。図中央下はリチウムポリマー二次電池。全てを合わせた重量は5.2kgと軽い。出典:オーエス
図4 GSN-160Bの利用例 ビルの屋上に設置した様子。出典:オーエス

 なお、太陽電池シートが1枚の「GSN-130B」もある(オープン価格、市場想定価格13万円前後)。


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