太陽光発電システムの発電コストが下がってきた結果、住宅の屋根置きやメガソーラーを超えて、一般企業の自家消費用まで普及が広まってきた。ホンダの取り組みを紹介する。
太陽光発電システムの普及を早める取り組みをホンダが2012年2月4日に発表した。小規模導入を面で広げ、1点集中型の大規模な導入と組み合わせる。
小規模導入では全国のホンダの四輪販売店を対象とする。2013年度末までに全国で、合計1MWの太陽電池を取り付ける。2月4日には導入第1号となる「Honda Cars 東京中央 足立小台店」へ、9kW分の取り付けを完了した(図1)。今後は全国の四輪車販売店2200店のうち、協力が得られた100店舗から展開する。
もう一方の1点集中型の大規模な導入では、2013年に稼働開始を予定する「寄居工場」(埼玉県寄居町)を対象に、2.6MWの太陽電池を取り付ける。ホンダによると、国内自動車工場としては最大規模だという(図2)*1)。
*1)これまでホンダグループ内で、1MW以上を導入した例として、四輪R&Dセンター(栃木県芳賀町、1.2MW)が挙げられる。
同社はこれまで約3.3MWの太陽光発電システムを導入してきた。ホンダによれば、自動車業界では既に導入量が最も多いという。
四輪販売店や寄居工場に導入するのは、ホンダソルテックが開発・製造する太陽光発電システム。CIGS(銅インジウムガリウムセレン、CISとも)薄膜太陽電池である。曇天時などの弱い太陽光でも結晶Si(シリコン)太陽電池と比較して発電量が多いという特性がある。
ホンダソルテックは、2011年12月、変換効率を高めた2種類の住宅用太陽電池の試作品も公開している(図3)。「140W太陽電池モジュール」は従来の130W品を改良したもの。非発電面積の縮小によって変換効率を12.5%高めた。「新型高効率太陽電池モジュール」はモジュール封止構造を一新し、非発電面積をさらに狭めることで、変換効率を13.5%まで向上させた。
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