生成したソースコードの規格準拠を評価するツール、「MATLAB/Simulink」が新バージョンに導入

» 2011年09月05日 00時00分 公開
[EDN Japan]

 MathWorksは2011年9月、モデルベース開発環境「MATLAB」と「Simulink」の最新バージョン「R2011b」を発表した。

 今回のバージョンアップでは、Simulinkモデルから生成されたソースコードについて、DO-178などソフトウェアの標準規格への準拠を評価する際に用いるオプションツール「Simulink Code Inspector」が新たに導入された。また、組み込みソフトウェアの検証に用いる「Polyspace」をはじめとする82個の製品がアップデートされた。

 Simulinkでは、ほかにも、「Simulink Coder」や「Embedded Coder」などのコード生成用のオプションツールについて機能向上が図られた。マルチドメイン物理システムのモデリングに用いるツール「Simscape」の電子/電動機器向けモデルライブラリ「SimElectronics」には、温度依存動作と設定可能な熱端子をもつ半導体デバイスのモデルが追加された。複数機器で構成されるシステムの検証に用いる「SimEvents」では、離散イベントのシミュレーションの高速化や、ハイブリッドシステムのモデリングの簡略化などが行われている。「IEC Certification Kit」では、自動車向け機能安全規格であるISO 26262のサポートが拡充された。

 MATLABでは、Windows OSにおける起動を高速化する起動アクセラレータや、MAT形式のファイルから配列の部分的な読み取り/書き込みを行う機能、スプレッドシートのインポートツールなどが追加された。また、オプションの「Parallel Computing Toolbox」では、ローカルワーカー数を8個から12個に増やすとともに、「Image Processing Toolbox」と連動させる際に大規模画像のパラレルブロック処理を行えるようにした。また、金融向けのオプション「Financial Derivatives Toolbox」は、減債基金約款、レンジアクルーアル債、およびステップアップ/ステップダウンするコーラブル債またはプッタブル債の価格設定と感応度の計算に対応できるようになった。

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