リアサスペンションでは、インホイールモーターの強力なトルクを車体にいかに伝えるか、タイヤからの振動入力を以下に防ぐかという2点に腐心した。
トルクの伝達を良くするため、トレーリングアームを2本設けた他、加速、減速時に車体姿勢があまり変化しないようにアームの配置を構成した(図6、図7)。
車輪から入ってくる振動入力やモーターのトルク変動を抑えるために、トレーリングアームの前方を二重防振構造にすることで対応できたという。
 図7 完成したシャーシの全体像 フレームやボディー、内装品などを省いた図である。ガソリン車に見られるような車体中央前後に走る車軸やデフなどの重い部品が見あたらない。ホイールまわりだけでシャーシが完結していることが分かる。出典:SIM-Drive
図7 完成したシャーシの全体像 フレームやボディー、内装品などを省いた図である。ガソリン車に見られるような車体中央前後に走る車軸やデフなどの重い部品が見あたらない。ホイールまわりだけでシャーシが完結していることが分かる。出典:SIM-Driveこのようにして快適性や安全性を高めた一方、走行距離を伸ばすための開発にも成功した。「333kmの走行目標を実現するには転がり抵抗が小さなタイヤが必要不可欠だった」(吉田氏)。タイヤ開発は、SIM-Driveの8輪EV「Eliica」の開発当時から協力関係にあるブジヂストンに依頼した。
ブリヂストンが開発したタイヤは、従来の実用タイヤの転がり抵抗を約半分に低減した超低転がり抵抗タイヤであり、操縦安定性と乗り心地がよく、雨天などのウェット性能に優れている。18%の軽量化も達成できたことから、実用性の高いタイヤだと吉田氏は評価している。
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