今回はちょっと難しい匠のワザを伝授。トラブル三兄弟だけでは潜在トラブルを引き出せない場合に活躍するのがインタラクションギャップだ。
根川 甚八(ねがわ じんぱち)
根川製作所 代表取締役社長。団塊世代の大田区系オヤジ技術屋。通称、甚さん
国木田良太(くにきだ りょうた)
ADO製作所 PC事業部 設計2課 勤務。80年代生のイマドキな若者。機構設計者。通称、良君
編集部注* 本記事はフィクションです。実在の人物団体などとは一切関係ありません。
甚さぁ〜ん! 今回は難し過ぎますよ。僕には、「インタラクションギャップ」も「バラツキ」も頭に入りませんでした。基本形の「特性要因図」だけで十分ですよ。
テンメェ、あの心意気はどうした? (『技術者としてできることは何か?』)やっぱ、口先だけか? まさか、オメェ、「頑張れ! 日本」って言っているんじゃねぇだろなぁ? 頑張るのはオメェだよ!
ここで、第1回、2回の内容をまとめてみましょう。まず、甚さんが「想定内だぜぃ!トラブルは」と言い切るその根拠は、職人とは「匠のワザ(1)」と「匠のワザ(2)」を有する職種だからです。
前回も言いましたけど……、僕は、「トレードオフ」を完璧にマスターしましたよ。
うれしいこと言ってくれるじゃねぇかい。あん? さすが、富士山麓大学の院卒だぁ。いつまでたっても、図面も描けねぇ、読めねぇ院卒かと思っていたけどよぉ、見直してやらあなぁ。
技術が進化すると、「トラブル三兄弟」だけでは潜在トラブルを引き出せない場合が出現します。このとき、職人もスキルアップして進化しなくてはなりません。それが、次に解説する「インタラクションギャップ」です。
甚さん! 前回は、ここからつまずきました。「バラツキ」という日常用語がますます、理解を困難にしていますよ。
そんじゃよぉ、福島第一原発(原子力発電所)の例で説明しようじゃねぇかい。耳の穴かっぽじってよぉ、よ〜く聞きやがれってんだ。
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