自動車部品の技術で作った優しい毛抜きマイクロモノづくり〜町工場の最終製品開発〜(9)(1/3 ページ)

鍛造で長年自動車部品を作ってきた町工場の技術を生かした製品とは?

» 2011年04月22日 13時15分 公開
[三木康司/enmono,@IT MONOist]
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編集注:ゴーテック 道家剛史氏の再取材に基づき、本文に追記・修正しました。(2013年10月28日)


鍛造で作った優しい毛抜き

 ミサト工業がプロジェクト参画した毛抜き「NOOK」は、通常の毛抜きと違い、先が丸くなっていて、毛を抜く際に角度を変えてもストレスなく毛が抜ける構造になっています。この毛抜きは、これまでミサト工業が自動車部品を作る際に培ってきた鍛造技術を生かして作られています。


鍛造(たんぞう、forging):金属における塑性加工法の一種。加熱しながらハンマーでたたいて変形させる「自由鍛造」、上下一対の金型を用いて圧縮加工する「型鍛造」がある。


NOOK NOOK

 この鍛造を用いることにより、毛抜き全体が非常にしなやかになり、毛抜きの根元を軽くつかむことで、毛抜きの先に強いグリップ力が得られたのです。

毛をグリップする 毛をグリップする
先端の形状 先端の形状

 実は私も、この「毛抜き」というものが、どれほど需要があるのか、今回のミサト工業さんの取材を通じて知りました。私の妻にも尋ねてみたところ、多くの若い女性はほぼ毎日、毛抜きを使っているといいます。毛抜きを使う目的は、ほぼ毎日メークをするときに眉毛を抜くため、または1週間に1度ぐらいで足の脱毛などに使っているということでした。

 毛抜きのどのようなところが重要なのかということを引き続き妻にヒアリングしたところ、ほぼ毎日使うものなので、「ストレスなく、きちんと毛がつかめる」――つまり毛抜き本来の機能である「毛をつかむグリップ力」と、やはりそれなりに「デザインの良さ」であるということも分かりました。

 NOOKでも、そのポイントが押さえられていました。

  • 先が丸くなっていて、全ての角度からきちんと毛をつかめる構造になっていること。
  • 従来の「毛抜き」をイメージさせるものではなく、まるでお菓子をイメージさせるようなデザインと色(グッドデザイン賞を受賞しています)。
カラーバリエーション カラーバリエーション

 今回は、このNOOKのプロジェクトに参画したしたミサト工業のマイクロモノづくりについて紹介します。

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