今回の俺小物は、えっと……、クマ? ネコ?物欲全開! 俺が欲しいものをもっと作ろう(2)(2/4 ページ)

» 2011年04月01日 10時54分 公開
[水野 操/ニコラデザイン・アンド・テクノロジー,@IT MONOist]

シンクロナスフィーチャーを使っていて気が付いた挙動の違い

 ちなみに、シンクロナスモードで形状を操作する際には、注意することがある。特に、従来のパラメトリックなヒストリーCADに慣れていると、ちょっと戸惑うこともある。フィーチャーとはいっても、厳密に言えば、従来のパラメトリックなCAD(つまり、Solid Edgeでいえばオーダードフィーチャー)でいうところのフィーチャーとは違うからだ。

 シンクロナスフィーチャーとは、つまり“面の集合体”という扱いになっている。従って、一見、問題のなさそうなフィーチャーを削除しようとした場合でも、CADに怒られて削除できなくなったりする。このあたりの挙動の違いなどは意識しておいたほうが良さそうだ。これは、筆者もよく理解しているわけではないが、パラソリッドのカーネル的には、何か正しくない形状になっている、ということかもしれない。もう少し、いろいろなケースを触ってみて研究したい。

もう少し柔らかい形状のものを作る

 さて、そろそろRP(ラピッドプロトタイピング)で出力、といきたいところだが、やっぱり、出力するにもコストが掛かる。お父さんの小遣いの具合にもよる。

 なので、出力をする前に別なものを作ることにした。今度はテイストを変えて、もう少し柔らかい形状のものにした。しかし、ブツとしては、やっぱり携帯とか、iPhoneを置ける台である。で、モチーフは……というと熊、いや、「クマ」といった方がそれらしい、か。

 実は、別の用途でのクマのオブジェ兼デスクトップの道具の試作をやったことがある。こちらは少々機能的に問題があって、現在改良中なのだが、少し形を変えれば台にはなりそうなのでチャレンジしてみることにした。

 そうそう、もう1つ理由がある。シーメンスさんのマーケティングのある方のFacebookアカウントのプロフィール写真が、なぜかSolid Edgeで作ったクマなのである。それに触発されたわけではないが、どちらにしてもクマモチーフの台を作ってみることにした。

 で、モノとしてはこれである。

alt クマ、か?

 正直「クマ」というよりは「ネコ」に見えるような気がするのだが、あまり細かく形状を作る時間がなかったので……、このあたりは、あまり意見を言わないでいただけると、うれしい……。

 自分で作ってみて思ったのだが、これは、携帯電話やiPhoneのホルダー以外にも用途が出てきそうだ。一応、モノ的には2つのパートに分けて作った。すでに、RPに送り込んでいるのだが、腕も別パートにすればよかった。

alt クマ? のパーツ構成

 一応、上のパート(クマの体)と下のパート(足の格好の台)をはめたときに、スポッと抜けてしまわないように、上には細い出っ張りを付けて、それが穴の下の部分にちょうど引っ掛かるようにした。

alt クマ? の抜け止め

 実は、この出っ張りの作成にはシンクロナスフィーチャーが便利であった。最初は、この出っ張りはもう少し上の方にあって、受ける穴には、それとかみ合うような溝を作った。もともとRPで作ることを想定しているので、特定の形状が作れるか作れないか、ということは気にしていないのだが、過去の経験からいって、あまり細かい形状は出力されない、あるいはなぜか、一部が欠けてしまう(STLファイル上ではあるはずなのだが)などの問題が起きたこともあり、できるだけ余分なフィーチャーは付けないようにした。場所を変える際にもシンクロナスフィーチャーで作っていれば、単に形状をつかんで動かすだけなので、その操作は非常に簡便である。

動画2 シンクロナスフィーチャーの操作

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