中国発行件数規模を例に取って説明しましょう。2000年時点の中国では発行件数規模から見ても日米欧の約3分の1程度ですから、中国企業・研究機関などによる鉄道技術の研究開発活動はそれほど活発ではなく、さらに日米欧の海外メーカーにとって中国が鉄道マーケットとしてあまり魅力的ではなかったといえます(図3)。
それが2009年にかけて中国メーカーも積極的に研究開発および特許出願を行うようになりました。そして中国沿岸部における高速鉄道建設プロジェクトが持ち上がれば、海外メーカーは入札を考えるようになりますので、入札・事業展開に必要な特許出願を行うようになります(図4)。
図4の2009年特許・実用新案発行件数ランキングを見ていくと、ビッグ3のうちシーメンスとアルストムが、また主要メーカーとしてGEもランクインしています。そのほかは中国のメーカーや官公庁・研究機関ですから、中国も鉄道技術の研究開発を積極的に推進していることが分かります。今後中国はマーケットとしてもその魅力度を増しながら、さらに技術力に磨きをかけていき、それを積極的に海外展開していく「鉄道大国」へ突き進んでいくと考えられます。
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