第8回 学生フォーミュラ大会開催――優勝は阪大台風一過の学生フォーミュラ大会

自動車技術会は2010年9月7〜11日、静岡県袋井市内のエコパで第8回 全日本学生フォーミュラ大会を開催。優勝は大阪大学!

» 2010年09月13日 00時00分 公開
[小林由美,@IT MONOist]

 自動車技術会は2010年9月7〜11日、静岡県袋井市内の小笠原総合運動公園(通称「エコパ」)で第8回 全日本学生フォーミュラ大会を開催した。エントリーは過去最多85校(書類選考通過は75校)。

 今年は台風9号の日本列島通過の影響で、会期前半(8、9日)はしばしば雨に見舞われ、ピット撤収の指示が出る場面もあった。10日以降は、台風一過の晴天に恵まれ、猛暑の中の審査となった。

左から、第6位・静岡大学、第5位・東海大学、第4位・東京都市大学(旧・武蔵工業大学)、第3位・横浜国立大学、第2位・上智大学、第1位・大阪大学:各リーダーが肩を組み合い、勝利をたたえ合う

 第8回大会の総合優勝は大阪大学。第1回から参加し続けている同校は、年々着々と総合順位を上げてきたものの、優勝圏内になかなか入れなかったが、今年はついに快挙を成し遂げた。アクセラレーション審査で第1位のほか、ポイントの高いエンデュランス審査でも3位と審査全体で好成績を獲得。今回は、コーナリング性能を高めるため、全体的に車両重心を下げての設計で挑んだ。

大阪大学のエンデュランス走行
第8回大会 総合第1位授与の様子:大阪大学 チームリーダー 奥西 晋一さん

 第4〜6回大会の優勝校で、第7回大会では第2位の上智大学は、動的審査の結果があまりふるわず、またしても総合第2位。同校はエンデュランス審査で、今大会ベストタイム1217.058秒を記録している。

 第3位は、横浜国立大学。エンデュランスの走行順は1番(オートクロス審査で第1位)と優勝も大いに期待されたが、惜しくもならず。昨年と引き続き、ベストWebサイト賞を受賞した。

 昨年(第7回)の優勝校である東京大学は、総合第29位となった。今年からエンジンをまったく新しいものに変えたこと、メンバーも大幅に入れ替わったことが、今回の結果に響いたとのことだ。そのような状況下、プレゼンテーション審査は第1位と健闘した。

 ほか受賞状況については、大会公式サイト(記事末関連リンクに)の発表をご覧いただきたい。

 4日目(10日)ラストには昨年同様、電気自動車(EV)試走会も行った。東京大学、横浜国立大学、静岡理工科大学、金沢大学、大阪産業大学の各校から5車両が走行した。

コースを走行する大阪産業大学の電気自動車:いい走りっぷり!
無事完走した静岡理工科大学の電気自動車;イベント終了時には日が暮れ始めていた

 UTFF10(昨年の東京大学車両)は、電気自動車として第2の人生(車生?)を迎えていた。SUZUKI SKYWAVE650用エンジンをリチウムポリマー電池に変え、電気自動車試走会で登場。しかし、出走直後にエラーが発生し(デファレンシャルの故障)、その後リタイアとなった。ほか4校については、無事完走。各車両はエンデュランスと同じコースを走行したが、ラップタイムは1分10秒前後を推移していた。通常の学生フォーミュラカー、かつ上位校では、1分00秒前後で走行する。

東京大学が製作した電気自動車 東京大学の昨年製作のフォーミュラカー

 今年も海外チームがいくつか参加し、そのうちドイツ ミュンヘン応用科学大学(University of Applied Sciences Munich)が、デザインファイナル5校に選出された。エンデュランスは、日本のコース向けの調整がうまくいかず、残念ながら完走とならず。「次回もスポンサーがうまくついたら、ぜひ再度日本の大会に出たい」とのことだ。

ミュンヘン応用科学大学が製作した車両の審査

 エンデュランス審査は、晴天で路上の条件が良かったこともあり、完走するチームも28校と例年より多かったため、日程進行が遅れるなどの影響もあった。

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