自動車技術会は2010年9月7〜11日、静岡県袋井市内のエコパで第8回 全日本学生フォーミュラ大会を開催。優勝は大阪大学!
自動車技術会は2010年9月7〜11日、静岡県袋井市内の小笠原総合運動公園(通称「エコパ」)で第8回 全日本学生フォーミュラ大会を開催した。エントリーは過去最多85校(書類選考通過は75校)。
今年は台風9号の日本列島通過の影響で、会期前半(8、9日)はしばしば雨に見舞われ、ピット撤収の指示が出る場面もあった。10日以降は、台風一過の晴天に恵まれ、猛暑の中の審査となった。
左から、第6位・静岡大学、第5位・東海大学、第4位・東京都市大学(旧・武蔵工業大学)、第3位・横浜国立大学、第2位・上智大学、第1位・大阪大学:各リーダーが肩を組み合い、勝利をたたえ合う
第8回大会の総合優勝は大阪大学。第1回から参加し続けている同校は、年々着々と総合順位を上げてきたものの、優勝圏内になかなか入れなかったが、今年はついに快挙を成し遂げた。アクセラレーション審査で第1位のほか、ポイントの高いエンデュランス審査でも3位と審査全体で好成績を獲得。今回は、コーナリング性能を高めるため、全体的に車両重心を下げての設計で挑んだ。
第4〜6回大会の優勝校で、第7回大会では第2位の上智大学は、動的審査の結果があまりふるわず、またしても総合第2位。同校はエンデュランス審査で、今大会ベストタイム1217.058秒を記録している。
第3位は、横浜国立大学。エンデュランスの走行順は1番(オートクロス審査で第1位)と優勝も大いに期待されたが、惜しくもならず。昨年と引き続き、ベストWebサイト賞を受賞した。
昨年(第7回)の優勝校である東京大学は、総合第29位となった。今年からエンジンをまったく新しいものに変えたこと、メンバーも大幅に入れ替わったことが、今回の結果に響いたとのことだ。そのような状況下、プレゼンテーション審査は第1位と健闘した。
ほか受賞状況については、大会公式サイト(記事末関連リンクに)の発表をご覧いただきたい。
4日目(10日)ラストには昨年同様、電気自動車(EV)試走会も行った。東京大学、横浜国立大学、静岡理工科大学、金沢大学、大阪産業大学の各校から5車両が走行した。
UTFF10(昨年の東京大学車両)は、電気自動車として第2の人生(車生?)を迎えていた。SUZUKI SKYWAVE650用エンジンをリチウムポリマー電池に変え、電気自動車試走会で登場。しかし、出走直後にエラーが発生し(デファレンシャルの故障)、その後リタイアとなった。ほか4校については、無事完走。各車両はエンデュランスと同じコースを走行したが、ラップタイムは1分10秒前後を推移していた。通常の学生フォーミュラカー、かつ上位校では、1分00秒前後で走行する。
今年も海外チームがいくつか参加し、そのうちドイツ ミュンヘン応用科学大学(University of Applied Sciences Munich)が、デザインファイナル5校に選出された。エンデュランスは、日本のコース向けの調整がうまくいかず、残念ながら完走とならず。「次回もスポンサーがうまくついたら、ぜひ再度日本の大会に出たい」とのことだ。
エンデュランス審査は、晴天で路上の条件が良かったこともあり、完走するチームも28校と例年より多かったため、日程進行が遅れるなどの影響もあった。
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