マザーボードには、非常に小さい“抵抗器”が基板表面に実装されている。これら「表面実装用のチップ抵抗」を実際に見てみよう!
今回は、「抵抗」について解説します。最近、政治の世界では“抵抗勢力”という言葉がはやっていますが、抵抗とはその名のとおり、“何かに対して抵抗する素子”のことをいいます。
では、一体何に対して抵抗するのでしょうか? 中学校で「オームの法則」を学習する際に、以下の式を教わったと思います。
この式から、抵抗値[R]によって、電圧[V]や電流[I]を制御できることが分かります。つまり、電圧や電流に対して“抵抗”しているわけです。
では、第1回「マザーボードは電子部品の宝庫」で、ご紹介した「マザーボード(M/B)」にはどのような抵抗が搭載されているのでしょうか。
一昔前ですと、抵抗器といえば抵抗器本体には、抵抗値を示すカラーコードが付いていて、本体の両側からリード線が出ているものが一般的によく知られています(画像1)。
しかし、M/Bをじっくり眺めても、前述のリード線の付いた抵抗器はどこにも見当たりません。では、このM/Bには、抵抗が使われていないのでしょうか……。
そんなことはありません。抵抗器は、電子部品の中の“基本中の基本”といえる部品なので、M/B上に搭載されているはずです。
では、どこに?
実は、M/Bのような基板には非常に小さい抵抗器が、基板表面に直接実装されているのです。これらを「表面実装用のチップ抵抗」といいます(画像2)。非常に小さいので分かりにくいのですが、よく見るとM/Bにもちゃんと実装されていることが確認できます。
チップ抵抗は形状が非常に小さいので、基板上にたくさん部品を搭載したいとき、つまり“高密度実装の基板”には非常に向いています。基板への取り付け方は、直接基板の銅はく部分にはんだ付けして取り付けます。
チップ抵抗には、さまざまな大きさ・種類があります。現在主流となっている大きさは「1.6×0.8mm」と「1×0.5mm」の2種類だといわれています。さらに、小型電子機器(携帯電話、PDAなど)では「0.6×0.3mm」が使われているようです。
次回は、リード線が付いている抵抗器について解説します。(次回に続く)
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