単なるリップサービスではない、エンジン開発の話題
東京オートサロンも例年のようににぎわっているようです。クルマのカスタマイズといえば、スポーティーさを追求したり、走りを追求してモータースポーツに参加したり、アウトドアを楽しんだり、さまざまな路線があります。自由な“改造”もカスタマイズの本流です。東京オートサロンに出展した自動車メーカーなどの大手企業は、カスタマイズのトレンドに合わせた発表を行いました。
東京オートサロンのプレスカンファレンスで気になった発言をかいつまんで紹介します。
マツダの代表取締役社長兼CEOである毛籠勝弘氏は、「JAPAN MOBILITY SHOW 2023(ジャパンモビリティショー、旧東京モーターショー)」で披露したコンパクトスポーツカーのコンセプト「ICONIC SP(アイコニック エスピー)」に対して好意的な意見や応援が寄せられたことに感謝を述べ、2月1日にロータリーエンジンの開発グループを立ち上げることを宣言しました。ICONIC SPはロータリーエンジンを搭載するモデルで、このモデルに対する応援はロータリーエンジンに対する応援でもあるといえます。
カーボンニュートラル時代の課題を克服するため、エンジン方式の垣根を超えた技術的視野と、最先端のエンジン技術、モデルベース開発の鍛錬を積んだエンジニアを再結集してロータリーエンジンに取り組むとしています。
モリゾウこと、トヨタ自動車 代表取締役会長の豊田章男氏は2023年に取り組んできたことの1つとして、「未来のために仲間を守ること」に触れました。
自動車産業にはエンジン部品を作る仲間がたくさんいると述べた上で、「日本を支え、これからの日本を強くしていく技を持った人たちです。この人たちを失ってはいけません。ですが、エンジンに携わる人たちは、最近、銀行からお金を貸してもらえないこともあるそうです。そんなこと、絶対にあってはならない……なんとかしていきたいと思いました」(豊田氏)と言及。
カーボンニュートラルに向けた現実的な手段としてエンジンにはまだ役割があると社内でも訴え、新たにエンジンを開発するプロジェクトが動き出したと紹介しました。「この時代にエンジン? 逆行しているように聞こえるかもしれませんが、決して、そんなことはありません。未来にむけて必要なんです。エンジンを作ってきた皆さん、エンジンを作り続けましょう! これからもみんなの力が必要なんです! 今までやってきたあなた達の仕事を絶対に無駄にはしない!」と豊田氏は熱く語っています。
マツダやトヨタで具体的な組織体制やプロジェクトが動き出していることを考えると、カスタムカーのお祭りである東京オートサロンだからこそのリップサービスではなさそうですね。
エンジンからEVまで、2024年も注目すべき動きが盛りだくさんになる予感です。
今週はこんな記事を公開しました
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