自動車に特化した大規模言語モデルを共同開発、車載プラットフォームで機能:車載ソフトウェア
Cerence(セレンス)は、自動車向けの大規模言語モデル「CaLLM」を、NVIDIAと共同開発した。CaLLMはCerenceの次世代車載コンピューティングプラットフォームの一部として機能する。
Cerence(セレンス)は2023年12月21日、自動車向けの大規模言語モデル「CaLLM(Cerence Automotive Large Language Model)」を、NVIDIAと共同開発したと発表した。同モデルは、NVIDIA DRIVEのプラットフォーム上で動作するCerenceの次世代車載コンピューティングプラットフォームの一部として機能する。
CaLLMは、既存の組み込みシステムと生成AI(人工知能)ドメインをクラウドで統合する。自動車に特化した知識と数十億のトークンを含む広範な自動車データセットを利用し、一般的な大規模言語モデルを上回るユーザー体験を提供する。
Cerenceは、NVIDIA AI Foundationモデル、NVIDIA AI Enterpriseソフトウェア、NVIDIAアクセラレーテッドコンピューティングを含むNVIDIA AIファウンドリサービスを利用して、CaLLMを開発した。初期段階ではNVIDIA DGX CloudとNVIDIA DGXシステムを利用したデータセットでCaLLMをトレーニングし、次にNVIDIA AI Enterpriseを備えたNVIDIAアクセラレーテッドインフラストラクチャにCaLLMを実装する。
CaLLMを搭載したCerenceのプラットフォームは、世界の主要自動車メーカーとPoC(概念実証)を開始しており、2024年1月開催のCES 2024においてデモを展示する予定だ。
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