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ダイハツの軽商用EVが販売延期、トヨタやマツダはエンジン開発に注力自動車業界の1週間を振り返る(1/2 ページ)

2024年も話題が盛りだくさんになりそうですね。

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 週末です。年末年始の長期休みから順調に復帰できましたか? さまざまな理由で休暇返上だった方もいらっしゃるでしょうか。

 2023年12月下旬から続くダイハツ工業の生産/出荷停止の影響で、軽商用EV(電気自動車)の販売も延期になることがメディア各社に報じられています。

 この軽商用EVはスズキ、ダイハツ、トヨタの3社で共同開発し、CJPT(Commercial Japan Partnership Technologies)が企画に参加したモデルです。ダイハツからスズキやトヨタ自動車に対し、2023年度中にOEM(相手先ブランドによる生産)供給される予定でした。軽商用EVを使った大規模な社会実装プロジェクトも計画されていました。

 軽商用EVに関しては、三菱自動車が「ミニキャブミーブ」を大幅改良した「ミニキャブEV」を発売しており、ホンダも2024年前半に「N-VAN」ベースの軽商用EVを発売する予定です。また、国内外のスタートアップ企業も軽商用EVの市場を狙っています。スズキ、ダイハツ、トヨタによる軽商用EV投入の遅れはどの程度の影響を及ぼすのでしょうか。


ジャパンモビリティショーのスズキブースで展示されていた「eエブリイコンセプト」。ダイハツの軽商用バン「ハイゼットカーゴ」がベースのEVです[クリックで拡大]

本来の「コンシューマーエレクトロニクスショー」に

 1月最初のイベントといえば、「CES 2024」(米国ラスベガス、2024年1月9〜12日)と「東京オートサロン2024」(幕張メッセ、2024年1月12〜14日)が思い浮かびます。

 CESではホンダがEVのコンセプトカーを初公開しました。「0(ゼロ)シリーズ」と名付けられたグローバルモデルで、“薄く、軽く、賢い”EVを投入すると宣言しています。現在のEVは、SUVタイプの人気を差し引いても、全高が高く、どことなく分厚い印象を与えるモデルが多いです。床下に敷き詰められたバッテリーや、それを保護する設計が厚みの要因ですが、バッテリーは車両の重さにもつながります。

 0シリーズではこうした“厚さ、重さ”を克服したEVで、ホンダらしさを打ち出していくそうです。コンセプトカーなので製品化に向けてデザインが大なり小なり修正されるはずですが、コンセプトカーにかなり近い形で製品化するとも報じられています。それが実現すれば、かなり独特なスタイリングになるはずです。今市場にあるEVのデザインはどことなくエンジン車の延長線上にあるように見えるので、EVでなければできないデザインのクルマが出てくることはとても楽しみです。

 ソニー・ホンダモビリティについてもCESで発表がありました。ソニーグループはCESに合わせてプレスカンファレンスを実施し、2025年から受注開始予定のEV「AFEELA(アフィーラ)」の開発状況などを紹介しました。AI(人工知能)やゲーム技術の活用が明らかになり、製品化に向けて着々と進んでいる様子がうかがえます。

 ラスベガスには行っていないのですが、基調講演の顔ぶれなどを見ていると一時期のように自動車が目立っているわけではないような印象を受けます。

 日程順に基調講演の登壇企業を見ていくと、トップバッターがシーメンス、続いて化粧品などを手掛けるロレアル(日本でもよく知られたブランドです)、ウォルマート、インテル、HDヒュンダイ(コングロマリットとしてのヒュンダイグループ)、クアルコム、放送のFOX、小売りのBest Buyなど多種多様です。もう主催者はこの名称を使っていませんが、「コンシューマーエレクトロニクスショー」というべき顔ぶれだと思いました。

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