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海洋国家日本の最後のフロンティアは「水中」、LiDARや光無線技術で市場創出へ組み込み開発ニュース(2/2 ページ)

ALANコンソーシアムが、水中で用いるLiDARや光無線通信、光無線給電などの技術開発や市場創出に向けた取り組みについて説明。2019〜2021年度の3年間をめどに、水中光無線技術の確立を目指す。

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2019年内に水中の可視化が可能なスキャナー型LiDARを開発へ

ALANコンソーシアムの島田雄史氏
ALANコンソーシアム 代表でトリマティス 代表取締役 CEOの島田雄史氏

 またALANコンソーシアムでは、水中光無線技術の開発と並行して、市場創出に向けたプロジェクトも進める。第1弾として、トリマティスが、青、緑、黄色の光のミキシング技術を基に水中の可視化に向けた製品群「Aqua Pulsar」を開発中。既に直線距離の測距が可能なフラッシュタイプ水中LiDARは開発を完了している。水中での測距分解能は5mm、水深10m以上の耐水性を確保しており、試作機をROV(遠隔操作型無人潜水機)に搭載しての実証実験も行った。

 同社はAqua Pulsarシリーズとして、LiDARの他、水中ストロボや水中カメラ、水中Eyeシステムなどの開発も進め、それらの市場創出から発展する形で、ALANコンソーシアムによる水中光無線通信や、それらの技術を搭載するROVやAUV(自律型無人潜水機)につなげたい考えだ。

「Aqua Pulsarシリーズ」のコンセプト「Aqua Pulsarシリーズ」の展開イメージ 「Aqua Pulsarシリーズ」のコンセプト(左)と展開イメージ(右)における市場性(クリックで拡大) 出典:ALANコンソーシアム

 「水中の可視化という観点では、橋脚など社会インフラのメンテンナンス用途で大きな市場性がある。また、ROVやAUVの市場は急成長しているが、数百万〜数千万円前半のミドルクラスの製品はまだない。光無線技術を基にしたミドルクラスのROV・AUVの拡充で、さらなる水中ビジネスの飛躍につなげたい」(島田氏)。

社会インフラのメンテンナンスミドルクラスのROV・AUV 水中の可視化による「Aqua Pulsarシリーズ」のビジネスイメージ。社会インフラのメンテンナンス(左)やミドルクラスのROV・AUV(右)に期待がかかる(クリックで拡大) 出典:ALANコンソーシアム

 なお、既に直線測距型の開発を完了しているLiDARは、2019年内をめどにスキャナー型の開発を進めたい考え。島田氏は「スキャナー型LiDARや水中光無線技術を搭載して実証実験などに利用できるROVも開発する。併せて、親機と子機が光無線で通信を行うデモンストレーション用のROVの開発も計画している」と述べている。

トリマティスが開発した直線測距型LiDARを搭載するROVの試作機
トリマティスが開発した直線測距型LiDARを搭載するROVの試作機(クリックで拡大)

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