三菱電機が配電事業を分離、ABBに824億円で譲渡しアジア太平洋展開:製造マネジメントニュース

三菱電機は配電制御機器事業を分割して新会社を設立し、株式の51%をABBの日本法人に譲渡して共同出資会社にすると発表した。ABBによると、将来的には新会社の全株式を取得できるオプションも含まれているという。

» 2026年10月21日 09時45分 公開
[安藤照乃,MONOist]

 三菱電機は2026年10月20日、同社の配電制御機器事業を分割して新会社を設立し、その新会社株式の51%を、電力やオートメーション関連の製品/システムを展開する企業であるスイスABBの日本法人に譲渡して、共同出資会社(出資比率:ABB 51%、三菱電機 49%)とすることを発表した。譲渡価額は824億円を予定しており、譲渡の実行日は2027年10月1日となっている。

 対象となる配電制御機器事業は、低圧遮断器や電磁開閉器、計測制御機器、無停電電源装置(一般産業向け5kVA以下UPS)などの開発、製造、販売、サービスを行う事業であり、工場やビル、社会インフラにおける電力やエネルギーの安定供給を支えている。

 配電制御機器事業の2026年3月期の売上高は1022億円であり、日本国内において強固な市場基盤を確立している。対象となる市場は、国内で安定的な需要が見込まれる一方、海外では電化の普及に伴う需要拡大と競争激化が予想されている。こうした環境を踏まえ、三菱電機は製品力やソリューション対応力を含むグローバル競争力を強化する施策として、最適なパートナーとの共同運営が不可欠であると判断したという。

 譲渡先であるABBは、配電と電力制御分野においてグローバルな販売網を展開しており、世界市場において高い競争力を有している。三菱電機の品質力や技術サポート、国内の販売ネットワークと、ABBが有する先進的技術やグローバルな事業基盤を組み合わせることで、国内外で一貫した事業運営を進め、配電制御機器事業の中長期的な事業成長を図る方針だ。

 ABBとしても、主要市場の顧客に近い場所で調達や生産を行う「地産地消」戦略を推進し、日本およびアジア太平洋地域での成長を加速させる狙いがある。

 今後の手続きとして、三菱電機は2026年12月1日に100%出資の準備会社を設立し、2027年10月1日を効力発生日とする吸収分割によって同事業を新会社へ承継させる。ABBへの株式譲渡後、新会社はABBの連結子会社および三菱電機の持分法適用会社となる。取締役会は、ABBが指名する5人と三菱電機が指名する2人の計7人で構成される予定だ。

 ABBの発表によると、今回の取引には、三菱電機の同事業に関する日本国外の販売事業を100%取得することに加え、中期的にABBが新会社の全株式を取得できるオプションも含まれているという。

 なお、三菱電機は本件に伴い、2028年3月期の連結決算において株式譲渡に関連する利益約900億円をその他の損益に計上する見込みである。

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