最大47個を並列検査可能なシリコンキャパシター向け新装置を発売:材料技術

ウインテストは、シリコンキャパシター向け新型ウエハー検査装置「WTS-513SC」を2026年12月に発売する。

» 2026年10月16日 11時00分 公開
[遠藤和宏,MONOist]

 ウインテストは2026年10月13日、ウエハー上に形成されたシリコンキャパシター(Silicon Capacitor)を対象とする新型ウエハー検査装置「WTS-513SC」の開発を完了し、同年12月に販売を開始すると発表した。

多チャンネル並列測定とウエハー検査技術を応用

 生成AI(人工知能)の急速な普及を背景に、AIサーバやデータセンターに搭載されるGPU、アクセラレータ、高速メモリなどの半導体には、さらなる高速化や高集積化、低消費電力化が求められている。

 また、半導体の高性能化に伴い、複数の半導体チップを高密度に実装する先端パッケージ技術の重要性が高まっており、半導体デバイスの安定動作を支える電源供給とノイズ抑制についても、より高度な性能が求められるようになっている。

 こうした用途において、シリコンキャパシターは、従来の積層セラミックキャパシター(MLCC)と比べ、電圧変化や温度変化による容量変動がほぼ無い他、シリコン半導体プロセスを利用して形成され、100μm以下の厚さを実現できる。これにより、高温環境や小型化、高密度実装などに適した電子部品として、半導体パッケージやAIチップなどの各種高性能電子機器への応用拡大が期待されている。

 このような市場環境を踏まえて同社は、半導体検査装置事業で培ってきた高精度アナログ計測、微小信号測定、多チャンネル並列測定とウエハー検査技術を応用し、シリコンキャパシターの量産工程に対応する新たな検査装置としてWTS-513SCの開発を進めてきた。このたび、WTS-513SCの開発が完了し、製品として販売を開始する。

「WTS-513SC」の制御コンソール(左)とテストヘッド本体(右) 「WTS-513SC」の制御コンソール(左)とテストヘッド本体(右) 出所:ウインテスト

 WTS-513SCは、ウエハー上に形成されたシリコンキャパシターの電気的特性を測定し、良否判定を行うことを目的としたウエハー検査装置となっている。最大の特徴は、最大47個のシリコンキャパシターを並列で検査できるマルチサイト測定機能を備えている点だ。半導体と電子部品の量産工程では、デバイス単体の測定精度に加えて、ウエハー全体を短時間で検査するためのスループットが生産性と検査コストを左右する重要な要素となる。

WTS-513SCの設置イメージ WTS-513SCの設置イメージ 出所:ウインテスト

 同装置ではマルチサイト測定機能により、最大47個の並列検査に対応することで、シングルサイトあるいは少数サイトによる検査と比較して検査効率を高め、シリコンキャパシターの量産工程における検査時間の短縮と費用の低減への貢献を目指す。また、ウエハープローバーなどと組み合わせることにより、ウエハー上の各デバイスを順次測定し、その測定結果に基づくPass/Fail判定とウエハーマップへの反映など、量産工程に必要となる一連の検査への対応を想定している。

 同装置については、既に引き合いを得ている台湾メーカーや国内外の半導体メーカー、電子部品メーカー、関連企業に向けて営業活動を開始する予定だ。

WTS-513SCの主な特徴 WTS-513SCの主な特徴 出所:ウインテスト

新たな製品カテゴリーとして育成

 同社の半導体検査装置事業はこれまで、ディスプレイ/ドライバ集積回路(IC)、CCD/CMOSイメージセンサー、ロジックICなどを主要な検査対象として製品開発を進めてきた。一方、生成AIの普及を背景として世界の半導体市場ではAI/HPC関連への投資が拡大しており、半導体に加えて、先端パッケージ、光電融合、電源関連部品などを含めた周辺技術の重要性が高まっている。

 同社では、この市場構造の変化を新たな事業機会と捉え、既存の半導体検査技術を活用しながら検査対象領域を拡大することで、成長市場への展開を進めている。今回のシリコンキャパシター検査装置は、その取り組みの一環となるものであり、今後は顧客ニーズを踏まえながら、より多くのデバイスへの対応や測定機能の拡張と検査効率のさらなる向上を進め、同社の半導体検査装置事業における新たな製品カテゴリーとして育成していく考えだ。

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