通信速度が上がるにつれて、ケーブル内部の芯線を保護するシールドの要件も厳しくなっていく。
広く使用されているのがU/UTPだ。/の前に付くアルファベットはケーブル全体に対するシールドの構成を表し、/の後に付くアルファベットは各対に対するシールドの構成を示している。U/UTPはケーブル全体(/の前)がUnshielded(シールドなし)、各ペア線(/の後ろ)もUnshielded(シールドなし)のTwisted Pair(ツイストペア線)であることを示しており、コストは抑えられるがノイズが多い環境での使用は推奨されない。
一般的なシールドケーブルのF/UTP(FはFoil Shielded)は、EMC対策としてアルミ箔で4ペア線を一括して遮蔽(しゃへい)している一重シールドケーブルとなる。
SF/UTP(SはScreened)は、アルミ箔および網目状の編組線で一括して遮蔽している二重シールドケーブルとなる。F/UTPよりEMC対策に優れており、産業用ネットワークの中では2重シールドが推奨されることもある。
S/FTPは編組線で一括して遮蔽されており、なおかつアルミ箔で各ペア線を遮蔽している。各ペア線間のノイズ干渉を防ぐ効果もあり、最もEMC対策に優れている。カテゴリー7以上では必須の要件になっており、10Gbps以上の大容量伝送で使用されることが多い。U/FTPも存在はするが、流通量が少ないという。
ケーブルの導線には1本の太い銅線からなる単線と細い線を束ねた撚線の2種類がある。
単線の方が通信品質が良く、通信距離も長く取れる場合があるが、撚線に比べて固く、振動に強くないため固定した状態で使われる傾向がある。
撚線は比較的振動に強く、機器同士をつなぐパッチコードやロボットのアームのような動きが激しいアプリケーションに使われる。
注意点としては、一部兼用可能なものもあるが単線と撚線ではコネクターが異なり、撚線の中でも撚線の本数によってコネクターは違ってくるため、ケーブルだけではなくコネクターも正しく組み合わせて設計していくことが重要になる。
MICE規格は、設置環境の過酷さを数値で表す国際指標だ。MはMechanical:衝撃や振動など機械的な脅威、IはIngress:水や油、異物などの侵入の脅威、CはClimatic and Chemical:周囲の温度変化やガス、薬品などの脅威、EはElectromagnetic:ノイズの脅威を表している。
M、I、C、Eのそれぞれに1〜3のレベルがあり、数字が大きくなるほど設置環境は過酷になる。コネクター、ケーブルも環境に応じた適切なものを選ぶ必要がある。
コネクターにはたくさんの種類があり、独自のイーサネットコネクターを使用しているメーカーもある。
ただ、大部分は四角いRJ45コネクターまたは丸型のM12コネクターになる。RJ45は屋内や制御盤内などで使用され、M12コネクターは防塵防水性や耐振動性が求められる環境で使われる。ノイズ対策としてシールド性能が求められる場合は、コネクターの材質やシールド接続構造を考慮する必要がある。
近年は通常の4ペア8心を1ペア2心にしたSPE(Single Pair Ethernet)やプロセス製造業で使われるAPL(Advanced Physical Layer)も登場している。
産業用ネットワークの始まり〜1980年代に登場したGM主導のMAP〜
フィールドバスのオープン化の始まり
なぜプロセス用フィールドバスは広く普及しなかったのか
ファクトリオートメーション用フィールドバスの歴史とは
産業用ネットワークのオープン化の現状と今後
工場用のイーサネットって何だろう?Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Factory Automationの記事ランキング
コーナーリンク