恐るるに足らず? 中国フィジカルAI主要15社と5大集積地で見る「点と線と面」FAイベントレポート(2/3 ページ)

» 2026年09月18日 08時00分 公開
[長島清香MONOist]

主要15社から見る、完成品だけでない中国フィジカルAIの厚み

 こうした前提を踏まえ、須毛原氏は中国フィジカルAIの主要15社を、ロボットそのものを開発する「完成品」、ロボットの頭脳を担う「AI基盤」、モーターや減速機などの「基幹部品」、モノづくりを支える「供給網」の4つの領域に分けて紹介した。

中国フィジカルAIの主要15社 中国フィジカルAIの主要15社[クリックで拡大]出所:SUGENA

 完成品メーカーでは、Unitree、AGIBOT、DEEP Roboticsの3社を、世界をリードする存在として取り上げた。

 Unitreeは、量産と低価格化を強みにする企業だ。須毛原氏は、同社のWebサイトでロボットの価格が公開されていることに触れ、「ロボットをコモディティ化」することに挑戦していると説明した。

 AGIBOTは、2023年設立という若い企業ながら、急速に成長している点が特徴だ。須毛原氏は、設立からわずか3年で大規模なショールームを構えていることなどから、その成長スピードに注目した。また、Huawei出身の人材が多いことも特徴だとした。

 DEEP Roboticsは、四足歩行ロボットを中心に、社会インフラへの実装を重視する企業だ。浙江大学の准教授が創業したアカデミア発の企業で、須毛原氏は、Unitreeのような華やかさとは異なり、ロボティクスを社会インフラにどう組み込むかという産業用途を志向していると説明した。

 須毛原氏はセミナー開催前にこの3社を実際に訪れ、ショールームや施設で実機の展示やデモンストレーションを見てきたという。各社の状況を目の当たりにし、「本当に想像以上の状況となっており、改めて彼らのすごさを実感した」と振り返った。

 この他、完成品メーカーとしては、車輪型の双腕ロボットを手掛けるGalbotや、清華大学系のRobot Era、EV工場などの量産ラインへの導入実績を持つUBTECH、100m走で注目を集めた「天工Ultra」を開発したBeijing Humanoidなどが挙げられた。

 AI基盤を担う企業としては、杭州のSpirit AI、北京のGalaxea AI、杭州のWestlake Roboticsを紹介した。

 中でもWestlake Roboticsは、西湖大学発の企業で、トップクラスの研究者と元AlibabaのAI幹部が組んだチームだという。須毛原氏は、急速に台頭する同社について、「中国の大脳開発の到達点の1つ」として注目されていると紹介した。

 基幹部品では、モーターから減速機、アルゴリズムまでを自社開発するXynova、ロボット関節用の減速機を手掛けるLeaderdrive、多指ハンドを開発するDexRobotBrainCoなどを紹介した。

 特にLeaderdriveについては、日本メーカーが世界トップシェアを握ってきたロボット関節用の減速機を手掛けている点に言及し、「日本企業の牙城にまで今、ひたひたと競合が来ている」と述べた。

 そして、供給網を象徴する企業として取り上げたのが、上海のHuaqin Technologyだ。同社は自社ブランドを持たず、スマートフォンやタブレット、ウェアラブルなどで、研究開発や調達を含むモノづくりを担うODM企業だ。今後はロボットを新たな事業の柱に据えようとしているという。須毛原氏は、中国のサプライチェーンの実態を知る上で注目すべき企業として紹介した。

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