CAEの効果は言うまでもないが、設計上流での適用はまだ十分とはいえない印象を持った。ただ、以前に比べてCAEの適用範囲ははるかに広がっている。最適化手法とともに、CAEを設計手法として活用していくことが重要だと感じた。
図4に示すように、CADの効果も言うまでもない。CR開発では「SolidWorks」(現在の表記は「SOLIDWORKS」)を用いたが、以前のツールに比べてはるかに廉価で使いやすく、これからは設計する上での常備ツールになると思えた。
CRは回転体であるため、流体力を発生する。このことは当初から予想していたが、試験を進める中で、それが無視できそうにないことが判明した。しかし、特に問題となる流体力は鉛直方向成分であり、この方向の流体力を試験装置で測定することはできない。試験装置を横置きに改造すれば原理的には可能だが、それを具体化するのは途方もなく困難に思えた。そこで、解析的に求めることをトライした。
ただ、実際に発生すると予想される流体力は数N、大きくても10N程度であり、発生圧力に至っては数Pa程度と予想された。「本当に解析で求められるのか?」という疑問がまず生じた。なぜなら、圧力が求まったとしても、そこから力を算出するには、回転体全体にわたってベクトル的に面積分する必要があるからだ。結果的には、上面に作用する流体力と下面に作用する流体力の微小な差分が、CRに鉛直方向に作用する流体力となる。
流体解析ツールとしては「STAR-CD」を用いた(ツール選定に関しては、特に理由はなかった)。解析するとそれなりに結果は求まり、手計算結果ともオーダーは一致する。ただ、流体解析なので、手計算と一致したからといって解析が正しいということにはならない。
そこで、試験でシュラウド内壁の圧力を測定し、解析結果と比較することにした。このような微小な圧力を実験的に求めること自体、困難と思われたが、なぜか実験はうまくいき、有効なデータを取得できた。この結果を解析結果と比較すると、傾向はよく合っているのに絶対値が50%ほど異なっていた。
解析ツールによる影響の可能性も考え、「Ansys CFX」で同様の解析を行った。図5はその結果の一例である。ただ、得られた結果は細かいところでSTAR-CDとの差はあるものの、ほぼ同等といってよいものだった。
このことから、解析はそれなりに正しく、実験も十分に配慮して実施したので、それなりに正しいと考えた。実際の形状には微妙な凹凸やねじなどがあるが、解析ではそこまで模擬できていない。そのため、「実験の方が高めの圧力値を示したのであろう」という結論にした。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
メカ設計の記事ランキング