建造から約40年でも新技術に対応、カナダ沿岸警備隊船「ローリエ」の操舵室イマドキのフナデジ!(17)(2/3 ページ)

» 2026年08月07日 08時00分 公開
[長浜和也MONOist]

船齢約40年で更新を重ねた操舵システムをチェックする

 操舵室を左舷側から右舷方向に見渡すと、ローリエの操舵室は、前方中央、左右両舷のウイング部、中央部後列、左右舷側後列にコンソール群を配置した構成であることが把握できる。各区画の間には乗組員が移動できる通路を確保し、前後左右の操作位置へアクセスしやすくしている。両舷ウイング部では、離着岸操船に必要な船首方向、舷側、船尾方向の視界を確保し、岸壁と船体の位置関係を直接確認できる。

左舷側から右舷方向を見た操舵室 左舷側から右舷方向を見た操舵室。前方中央、両舷ウイング部、中央後列、左右舷側後列にコンソール群を配置し、区画間には通路を確保する。正面からウイング後方まで窓を設け、離着岸時に船首、舷側、船尾方向を見渡せる構成だ[クリックで拡大]

 操舵室最前列中央部は、通常航海時の操船と航海当直を担う主操船区画だ。中央には操舵手または当直員用のシートを用意し、その周囲を左右と前方のコンソールが囲む。シートからは船首と前部作業甲板、その先の海面を直接見渡せるため、自船の進行方向や船首付近の状況を目視しながら、操舵、推進、航海監視に関わる各操作系を扱える。左舷側の隣接位置には船長用シートもあり、船長が操船者の作業を妨げずに、同じ前方視界と計器情報を共有できる。

操舵室最前列中央部の主操船コンソール群 操舵室最前列中央部の主操船コンソール群。中央の操舵輪を挟んで航海/操舵系と推進系の表示/操作装置を配置し、操舵手または当直員用のシートを備える。左舷側の画面外には船長用シートもある[クリックで拡大]

 前部中央コンソールの中心には操舵輪を置き、その上に船首方位を示すジャイロコンパスのレピーターを配置する。右側には、操舵命令と実際の舵角をそれぞれ示す舵角指示器、さらに船底下の水深を表示する音響測深機が並ぶ。左側には、手動操舵や自動操舵などの操舵モードを選択して挙動を監視する操作盤をまとめている。操舵手は前方を目視しながら、指示された針路、舵の応答、水深を同じ位置で確認し、通常航海や狭水道での操船を行える。

前部中央コンソールの中央部 前部中央コンソールの中央部。操舵輪、方位を示すジャイロコンパスのレピーター、舵角指示器、音響測深機をまとめ、前方を見ながら針路と舵の応答、水深を確認できる[クリックで拡大]

 前部中央コンソール群の右舷側は、主推進装置と自動/非常操舵に関する操作系をまとめた。上段には左右舷推進系の回転数や運転状態を示す計器、中央には監視/設定用の画面、下段には左右舷の推進装置を個別に扱う操作レバーと出力表示を配置する。左側には自動操舵装置、探照灯操作盤、非常時に舵を直接動かすジョグレバーが並ぶ。通常航海時の推進監視から、操舵系統の異常時対応までを同じ場所で行える構成といえる。

前部中央コンソール群の右舷側 前部中央コンソール群の右舷側。左右舷主推進装置の監視/操作系、自動操舵、探照灯、非常操舵装置を集約し、通常航海から異常時対応までを担う[クリックで拡大]

 前部中央コンソール群の左舷側は、船内通信、非常警報、航海灯監視、方位測定に関する装置をまとめた区画だ。左側には複数の送受話器、船内電話/インターフォンの操作盤、回線選択盤が並び、機関室をはじめとする船内各部署との連絡に使う。

前部中央コンソール群の左舷側 前部中央コンソール群の左舷側。船内電話/インターフォン、非常警報、航海灯監視盤、無線方位測定機を集め、各部署との連絡と航海情報の確認を担う[クリックで拡大]

 左右両舷のウイングには、離着岸時に船側や岸壁、船首/船尾方向を直接確認しながら操船するためのコンソールを備えている。主推進装置については、左右舷系統の回転数や負荷などを示す計器と状態表示、前後進や出力を指令する操作レバーを配置する。操舵系には操舵レバーや操舵モード選択部があり、前部中央の主操船区画へ戻らなくても、ウイングから船体の動きを調整できる。

 この他、操舵機関系の警報、非常停止、急速な前後進切り替えに関する注意表示、船の旋回性能を示す旋回径表なども、操船者が視認しやすい領域にまとめている。キーボードとポインティングデバイスは、上方に設置した電子海図表示などの操作に用い、離着岸中も自船位置や周辺海域を確認できる。

左舷ウイングの操船コンソール 左舷ウイングの操船コンソール。主推進装置と操舵系の操作/表示器、電子海図用の入力機器を備える。右舷にも同様の区画があり、接岸する側から船側を確認して操船できる[クリックで拡大]

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