順天堂大学は、評価者が装着する首掛け型のウェアラブルカメラの映像が、医学生の客観的臨床能力試験における細かな手技の評価を補完するツールとして有効である可能性を示した。
順天堂大学は2026年6月8日、医学生の実技試験となる客観的臨床能力試験(OSCE)で、評価者が装着する首掛け型ウェアラブルカメラの映像の有用性を検証したと発表した。固定カメラでは死角になりやすい電極装着などの細かい手技を確認しやすい傾向がみられ、将来的な評価補助ツールとしての可能性が示された。
研究グループは、12誘導心電図の電極装着を課題とした模擬OSCEを実施し、頭側と足側に設置した固定カメラと首掛け型カメラの映像を比較した。評価者は、試験中にその場で評価を判断するとともに、約1カ月後に録画した同じ模擬OSCEの映像から受験者の手技を評価した。
その結果、首掛け型カメラの映像は固定カメラよりも多くの項目が評価可能であると判断され、細かな手技の確認に役立つ可能性が示された。一方で、試験当日の評価と首掛けウェアラブルカメラの録画映像による後日の再評価の一致度には評価者間でばらつきがみられ、実用化には装着方法や録画条件の標準化が必要だと分かった。
OSCEは、医学生が臨床実習に進むために合格しなければならない重要試験だ。しかし、OSCEの実施には多くの人員を要し、評価の質を保ちながら安定して実施する体制作りが必要とされている。評価の質を維持するには映像記録が重要となるが、従来の固定カメラでは死角が生じ、手元の細かな操作を十分に確認できない課題があった。研究グループは今後、対象の拡大や条件の標準化を進め、実用的な補助ツールの構築を目指す。
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