シミュレーターを用いた技術実証では、まずイジングモデル圧縮の効果を確認した。代表的な組み合わせ最適化問題であるMIS(最大独立集合)問題を解く場合に、イジングモデル圧縮を適用したSBMは、適用しないSBMと比べて、データ転送時間が約18倍、演算時間が約3倍に高速化されたという。
また、従来のSBMのみでは解けなかった問題が、開発したフレームワークを適用することで解けるようになることも確認している。
さらに、同フレームワークを用いて、工場や工事現場のように多数の無線センサーが存在するマルチホップネットワークにおいて、無線干渉が起こらないようにするTDMA(時分割多元接続)スケジューリングを想定した評価も実施した。
TDMAスケジューリングは、複数のセンサーから基地局へデータを集約する際に、無線干渉を避けながら同一の時間枠(タイムスロット)で同時に送信できるノードの組み合わせを決定する処理を行うため、通信可能なノード群からなるMISを繰り返し求める問題として扱うことができ、計算の度に生成されるMIS問題の規模や構造(ノード数やエッジ密度など)の特徴が大きく変化する。
新開発のフレームワークは、最適化制御AIとイジングモデル圧縮の効果により、特徴がが変化し続けるMIS問題を連続的に解くことができた。800ノードの無線センサーネットワークに対するTDMAスケジューリングでは、オープンソースのソフトウェアベースのMISソルバーが計算に16.935秒を要したのに対し、新開発のフレームワークを適用したSBMは0.465秒で完了した。
なお、今回の研究成果は、2026年6月16日付(英国時間)で国際学術誌「Nature Communications」(オンライン版)に掲載された。
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