中国製SiCウエハーの安さと驚く生産規模 技術商社が仕掛ける新しい「右から左」製造マネジメントニュース(3/4 ページ)

» 2026年05月22日 06時00分 公開
[遠藤和宏MONOist]

2030年にSiCエピウエハー生産能力が200万枚に

 中国初のSiC専門企業として2009年に設立されたTYSiCは、2014年に4インチのSiCエピウエハーの量産を開始し、2016年に6インチのSiCエピウエハーの開発に成功した。2018年には、6インチのSiCエピウエハーの量産を開始し、2019年に8インチのSiCエピウエハーの開発をスタート。2022年には8インチのSiCエピウエハーの開発に成功し、2023年には8インチのSiCエピウエハーの量産を開始した。

TYSiCの歴史 TYSiCの歴史[クリックで拡大] 出所:TYSiC

 現在の従業員数は900人で、主な生産拠点は東莞市の本社工場と生態圏工場の2カ所となる。事業内容は、オリジナルブランドのエピウエハーの開発、製造、販売、エピウエハーの検査受託、洗浄受託、金属残留の検査受託だ。

TYSiCの事業内容 TYSiCの事業内容[クリックで拡大] 出所:TYSiC

 横氏は「TYSiCは、200台の高度なエピタキシャル成長装置を保有している。日本のエピウエハーメーカーでは10台以上のエピタキシャル成長装置を保有している企業も少ない。6/8インチのSiCエピウエハーの年間生産能力は本社工場と生態圏工場がいずれも40万枚で、合計で80万枚の生産能力を有している。生態圏工場の生産能力を増強しているため、SiCエピウエハーの合計の生産能力は2027年に110万枚に、2028年には150万枚に、2030年には200万枚になる見込みだ」と現状を説明した。

TYSiCの生産能力 TYSiCの生産能力[クリックで拡大] 出所:TYSiC
TYSiCの生産体制のロードマップ TYSiCの生産体制のロードマップ[クリックで拡大] 出所:TYSiC

 加えて、「両工場で導入しているエピタキシャル成長装置の割合は海外製と中国製が50対50となっている。中国産のエピタキシャル成長装置は海外製の半額でありながら、現在の8インチレベルの製造には十分な性能を持つため、現在は安価な国産装置への切り替えを急速に進めている」という。

TYSiCの工場で導入しているエピタキシャル成長装置 TYSiCの工場で導入しているエピタキシャル成長装置[クリックで拡大] 出所:TYSiC
TYSiC 社長室長の侯林峰氏 TYSiC 社長室長の侯林峰氏

 TYSiC 社長室長の侯林峰氏は「会社設立から、既に50億人民元、およそ1100億円相当の投資を行っている」と回想した。

 マレーシアにもSiCエピウエハーの生産工場を保有している。「JSGなどで製造されたSiCウエハーをマレーシア工場でエピタキシャル成長させ、ボッシュ(Bosch)やインフィニオン(Infineon)といった欧州の大手パワー半導体メーカーへ供給するグローバルなサプライチェーンを構築している」(横氏)。

中国市場におけるTYSiCのSiCエピウエハーのシェア 中国市場におけるTYSiCのSiCエピウエハーのシェア[クリックで拡大] 出所:TYSiC

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