2026年4月20日にシェフラーが現地で開催した記者会見では、CEOのクラウス・ローゼンフェルド(Klaus Rosenfeld)氏や最高技術責任者(CTO)のウーヴェ・ヴァーグナー(Uwe Wagner)氏が、同社が掲げる『モーションテクノロジーカンパニー』への変革や、ヒューマノイド分野への取り組みについて説明した。
ローゼンフェルド氏は、シェフラーが自動車向け中心のサプライヤーから脱却し、「動き(モーション)」そのものを提供する『モーションテクノロジーカンパニー』へと進化していると紹介。その上で、ヒューマノイドロボットについて「われわれが推進している変革を象徴するものだ」と強調した。
また、ローゼンフェルド氏は、この変革を支える基盤の1つとして、高精度製品を産業規模で量産できる製造技術の重要性を挙げた。シェフラーは90以上の技術プロセスを、12のコア製造技術(熱間成形、冷間成形、機械加工、熱処理、射出成形、コーティング、巻線技術、組立/検査技術、表面実装技術、電子機器保護技術、相互接続技術、積層造形)に体系化。これらのコア技術をグローバルに展開している。また、同社が生産や物流、管理分野においていち早くAIを導入してきた点にも触れ、その活用がモーションテクノロジーカンパニーとしての成長を支えると説明。MicrosoftやSAP、シーメンスなどとの連携に加え、NVIDIAとのパートナーシップを通じて製造プロセスのデジタル化を推進している点を強調した。
さらに同社の8つの製品ファミリーおよび2024年10月のヴィテスコ・テクノロジーズ買収によって、シェフラーの機械工学/メカトロニクスにおける強みと、ヴィテスコのエレクトロニクス、センサー技術を統合し、自動車分野に加えてヒューマノイドおよび航空宇宙、防衛分野の新領域への展開を進めていくとした。
ヴァーグナー氏も、同社の8つの製品ファミリーおよび製造技術を基盤として既存市場に加え、新規市場の開拓も進めていくとした上で「ロボティクスはまさにわれわれの得意分野だといえる。ロボットとは、ソフトウェアによって定義される技術システムだ。一方で、部品構成の大部分はアクチュエーター技術、すなわち関節などの動きを生み出す機構で占められている」と説明。ヒューマノイドのデモ機を用いながら、同社のアクチュエータープラットフォームを紹介していた。
同プラットフォームはサイズや用途に応じてスケーリング可能で、ヴァーグナー氏は「手の部分に向けた超小型のアクチュエーターの研究開発も進めている。現在は研究開発段階だが来年(2027年)には展示できるかもしれない」とした。
シェフラーではヒューマノイド技術を自社内でも活用している点も強調。トレーニングセンターでロボットを教育し、小型部品の取り扱いや組立作業を学習させていて、その過程で大量のデータを収集し、学習や要件定義に活用しているという。また、常にデジタルツインを用意し、実機の挙動を仮想空間で再現/シミュレーションしている。同氏は「これにより顧客に対して可視化された提案が可能となり、必要な動作仕様に応じたカスタマイズを行うことができる。当社は顧客との密接な連携および戦略的パートナーシップを重視していて、これがアクチュエーターのさらなる開発につながっている」と語った。
同社は2026年4月22日にハノーバーメッセにおいて、スイスのHexagon Roboticsとヒューマノイドの主要部品開発などにおける提携を発表。さらに同日、ベトナムのヒューマノイドロボットメーカーVinDynamicsとの提携を発表した。こうした協業を通じて、ヒューマノイドロボットの本格的な産業利用に向けた中核デバイス供給企業としての存在感を高めていく構えだ。
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